【解説】ビジネスパーソンが学ぶべき、「#KuToo運動」の本質
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注目のコメント
2017年に、芸能界で経験した性暴力を公表した石川さん。多くの女性を勇気づける行動だったと思います。#KuToo運動でも産業界に影響を与え、働く女性をエンパワメントしてきました。
私も就活をしていたとき、マナーの情報を見て、「ヒールを履かないと落ちるかもしれない」と思って履いていました。夕方には拇指球が痛くなり、ふくらはぎがパンパンに張ったのを覚えています。
ヒールが健康に影響を与えることは、アカデミックな場でも証明されていますから、履く人の意思は尊重されて然るべきです。
また、この#KuToo運動やフェミニズムを「男女の対立を深める」と批判する声もときどきありますが、そうした批判は男性蔑視だとも思います。
意見や主張を交わし合うことで、人の絆は深まるものです。「男女の対立を深める」という言葉には、「男性は従順な女性としかコミュニケーションできない」という前提が敷かれています。
女性自身が声を上げ、女性の服装規定の在り方を見直す。#KuTooは女性の主体性を社会に説く運動でもあります。#KuToo はフェミニズムの運動ではない。女性は社会的な美しさを強制され、それを表現するために、男の知らない苦痛を耐え忍んでいる。その無意味な苦痛から解放しようという運動だ。
ボクは新規事業の業務の一環として、FashionTechとして女性のファッションに向き合い、多くのユーザーインタビューを通じて、女性のこの課題を、女性の生の切実な声として知る機会を得たことがある。しかし、普通の男性は知らない。知る由もない。
テクノロジーだけで解決するには限界がある。制度や文化、慣習にもイノベーションは必要だ。古き良き伝統は守るべきものももちろん多くあるが、世界をより良く、そこに生きる人がよりハッピーになるために、変えていくべきものもある。
女性のパンプス問題などまさにそれだ。パンプスを履くことで得られる社会的利益など皆無で、パンプスを脱ぐことで失う社会的利益もない。捨て去っていい慣習である。
インターネットは世界をリベラル化する。多様な意見がある中で世界を客観的にみて、守る必要のないものは捨て去り、よりすべての人がフラットに生きる楽しみを享受できる世界を作っていきたい。「根本匠厚生労働大臣(同)は『業務の上で必要かつ適切であれば、ハイヒールの着用を強制することは社会的に受け入れられる』という言い方」はしていません。
正確には、「…社会通念に照らして業務上必要かつ相当な範囲か(どうか)」という発言でした(※)。
つまり、個々の企業が必要かどうか判断するべき、という程度の話だったのです。
記事全体の流れとして、当事者が厚労省や社会を動かしたような構成になっていますが、実際のところ、厚労省は、最初からハイヒールの一律の強制を容認していたわけではありません。
有料記事なのですから、運営側もちゃんと裏取りするべきでしょう。というか、この件、共同通信の報道姿勢が軽く炎上して結構pickされていたはずですが…
・パンプス着用、社会通念で 厚労相、容認とも取れる発言
https://newspicks.com/news/3951540
※ 衆議院 厚生労働委員会 2019年6月5日
https://www.youtube.com/watch?v=wJM3AbkpmOM&feature=youtu.be&t=5655