[ロンドン 20日 ロイター] - 英国立統計局(ONS)が発表した1月の小売売上高は、季節調整済み前月比で0.9%増加と、昨年12月の0.5%低下から上昇に転じた。

昨年3月以来の大幅な増加。ロイターがまとめた市場予想の0.7%増加を上回った。

昨年12月の総選挙以降、センチメントが改善し、経済活動が拡大していることが改めて浮き彫りとなった。昨年後半は欧州連合(EU)離脱を巡る議会の行き詰まりを背景に個人消費が低迷していた。

1月の小売売上高は、燃料を除くベースでは前月比1.6%増と、ロイター調査のすべての予測を上回り、2018年5月以降で最大の伸びを記録した。

ガソリンスタンドの販売は5.7%減と、2012年4月以降で最大の減少となったが、ONSは燃料価格の上昇が理由だと分析している。

低迷が続いていた衣料販売は、2018年5月以降で最大の増加を記録した。

イングランド銀行(英中銀)は先月、年初に経済が上向くとの見方から金利を据え置いたが、今回の指標はその決定を支援する内容。発表後、英ポンドはこの日の下落分を一部消した。

決済サービスを手掛けるイコールズ・グループのチーフエコノミスト、ジェレミー・トムソン・クック氏は「英消費者は選挙前の不透明感を耐えしのぎ、店舗に戻ってきた」と述べた。

ただ一部のエコノミストは、悪天候や新型コロナウイルス不安で今月の消費需要が低下するとみられ、改善が続くかどうか分からないとしている。

*内容を追加しました。