【最終話・豊田剛一郎】コロナ対策のオンライン診療と服薬指導

2020/4/4
医療テックベンチャー・メドレーの代表取締役医師――そんなめずらしい肩書を持つ豊田剛一郎氏。前職はマッキンゼー・アンド・カンパニーのコンサルタント、それ以前は日米の医療現場を経験した脳神経外科医と、異色のキャリアを歩んできた。しかしその根底には、「医療の未来のために働く」という一貫した思いがあったという。

「医療ヘルスケアの未来をつくる」をビジョンに掲げ、医療のさまざまな課題解決に取り組むメドレーに至る道のりをたどりながら、豊田氏を突き動かしてきた志や哲学を聞いた。(全7回)

「リレーション」が自身の役割

メドレーでは、創業者で代表取締役社長の瀧口浩平と、代表取締役医師である私が共同代表を務めています。
2015年にメドレーにジョインした私は主に、外部リレーション系の役割を担っています。PR(Public Relations)、GR(Government Relations)、IR(Investor Relations)といったところですね。
メドレーには医師などの医療従事者や弁護士、介護福祉士、エンジニア、デザイナーといった多様な強みをもつメンバーが、「医療ヘルスケアの未来をつくる」というミッションのもとに集結しています。
そうした心強いメンバーたちがいますので、私はメドレーの描く未来像、取り組みの意義や価値などを、医療関係者や患者さん、行政や機関投資家など、全てのステークホルダーへ伝えることに尽力しています。
「豊田には自分の名前で勝負してほしい」と言われてメドレーに入社したからには、メドレーの顔となって、伝えたいことを伝わるように、伝え続けていきたいと思っています。

新型コロナ感染拡大防止にも一役

メドレーが手がける事業は、日本の医療とその未来にとって、なくてはならないものだという自負があります。
メドレーが最初に手がけた「ジョブメドレー」は、医療現場の人材不足の解消に欠かせないプラットフォームに成長していますし、オンライン医療事典「MEDLEY」も、改訂を重ねて進化し続けています。
オンライン診療アプリからはじまった「CLINICS」は、その後にクラウド型電子カルテ「CLINICSカルテ」を提供するなど、SaaS事業も展開しています。
奇しくも、新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、厚生労働省は2020年2月末に、新型コロナウイルス感染症への対応に関する特例措置として、柔軟なオンライン診療と服薬指導の運用を認めました。
これを受けてメドレーでも、原則として病院や診療所に限って提供していた「CLINICS」を、一時的に調剤薬局にも拡大しました。
調剤薬局に導入していただければ、患者さんは「CLINICS」のアプリでオンライン診療と服薬指導を受けることができ、薬局に出向かなくても薬を送ってもらうことができます。