【豊田剛一郎】脳外科医、マッキンゼーから「代表取締役医師」へ

2020/3/29
医療テックベンチャー・メドレーの代表取締役医師――そんなめずらしい肩書を持つ豊田剛一郎氏。前職はマッキンゼー・アンド・カンパニーのコンサルタント、それ以前は日米の医療現場を経験した脳神経外科医と、異色のキャリアを歩んできた。しかしその根底には、「医療の未来のために働く」という一貫した思いがあったという。

「医療ヘルスケアの未来をつくる」をビジョンに掲げ、医療のさまざまな課題解決に取り組むメドレーに至る道のりをたどりながら、豊田氏を突き動かしてきた志や哲学を聞いた。(全7回)
豊田剛一郎(とよだ・ごういちろう)/メドレー 代表取締役医師
1984年東京生まれ。東京大学医学部卒業後、聖隷浜松病院で初期臨床研修を終え、NTT東日本関東病院脳神経外科に勤務。2012年に渡米しChildrenʼ s Hospital of Michiganに留学。脳神経外科医として日米で経験を重ねる中、日本の医療の未来に強い危機感を抱き、医療の変革を志して臨床現場を離れることを決意。2013年にマッキンゼー・アンド・カンパニーへ転身し、主にヘルスケア業界の戦略コンサルティングに従事。2015年2月より「医療ヘルスケアの未来をつくる」ことを掲げるメドレーに共同代表として参画し、代表取締役医師に就任。医師たちがつくるオンライン医療事典「MEDLEY」、遠隔診療を可能にするオンライン診療アプリ「CLINICS」など、納得できる医療の実現に向けたサービスを手がけている。著書に『ぼくらの未来をつくる仕事』(かんき出版)がある。

異色のキャリアに共通する志

脳神経外科医から、マッキンゼー・アンド・カンパニーのコンサルタント。そして、現在の医療テックベンチャー・メドレーを共同経営する代表取締役医師。
私のこれまでのキャリアをお話しすると、ほとんどの方が驚かれます。自分でも、ちょっと変わった経歴だと思います。かつては自分が経営者になることも、コンサルタントになることも、予想だにしませんでした。
しかし、医療の現場で働く医師からコンサルタントに転身したときも、コンサルから経営者となった今も、志に変わりはありません。それは、「医療と、医療の未来に貢献する」という思いです。