【解説】SARSの事例から学ぶ、「感染症と経済」の関係

2020/2/21
巨大なマーケット、安価な労働力などを求めて、多くの日本企業が進出している中国。
帝国データバンクの調査によると、中国進出企業は2019年5月時点で1万3685社ある。
ピークだった1万4394社(2012年調査)から約700社減少しているものの、いまだに1万社以上の日本企業が中国で経済活動を行っている。
そしてその依存度の高さは、中国の景気が悪化すれば、日本企業にも大きな影響が及ぶことを意味している。
中国湖北省武漢市で1月に発生した新型コロナウイルス(COVID-19)は今もなお感染拡大を続け、これから予想される日本経済への打撃も決して小さくないだろう。
しかし、終息の気配はいまだ見えず、実際にどれくらいの影響が生じるかは見通しが立っていない。そこで、2002、2003年に中国で発生、世界的に流行した「SARS(重症急性呼吸器症候群)」の影響を振り返ってみたい。
また、日本の企業の「感染症」に対する危機意識についてもリポートする。

中国全体と武漢の「唯一の違い」