【躍進】「Slack武装」東大アメフト部が狙う、全国優勝の先

2020/2/18
東大から日本を変えてゆく──。
スポーツでは弱小扱いされがちな東京大学。ところがここ数年、アメリカンフットボール部(通称:東大ウォリアーズ)が快進撃を続けている。
2018年に関東学生連盟の1部下位リーグ「BIG8」で6勝1敗の1位となり、現行のリーグ体制になった2014年以降、初めて上位リーグ「TOP8」に昇格。
私立大学の強豪がひしめく中、2019年も善戦を重ね、TOP8残留を果たした。
なぜ、躍進しているのか。その舞台裏には、1人の男の存在がある。
三沢英生。米投資銀行大手ゴールドマン・サックス、モルガン・スタンレー証券、メリルリンチ日本証券を経て、2013年に株式会社ドームに参画。
取締役常務執行役員として辣腕を振るう傍ら、2017年に東大アメフト部の監督に就任した、異色の経歴を持つ人物だ。
アメリカンフットボールでは、フィジカル(身体能力)だけでなく、緻密な戦略が求められる。
予算も限られ、推薦選手などを獲得できない東大では、ただでさえ学生たちは勉学に時間を奪われがちだ。そのため、チーム運営や練習の効率化が求められる。
そこで三沢は2018年、非効率的だった日々のルーチンワークを、ビジネスチャットツール「Slack」に一元化。
これにより、筋力トレーニングや、作戦研究に費やす時間を生み出している。その成果が、試合結果にも表れ始めているというのだ。
しかし、東大アメフト部にとってSlack導入は、全国大会優勝と、その先にある「野望」のための序章にすぎない、と三沢はいう。
徹底的にツールを活用した効率化の全貌と、飽くなき東大アメフト部のビジョンを、三沢監督に語ってもらった。