[ニューヨーク 14日 ロイター] - 終盤のニューヨーク外為市場では、ユーロが対ドルで横ばい。米株安が支えとなる一方、欧州の成長率を巡る懸念が引き続きユーロの重しになると見込まれている。

この日は欧米自動車大手フィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)が部品不足を理由にセルビアの工場を閉鎖すると発表。中国発の新型コロナウイルスにより欧州経済が脆弱化するとの懸念が高まった。

スコシアバンクのチーフFXストラテジスト、ショーン・オズボーン氏は「中国からの供給不足を理由にFCAが東欧の工場の1つを閉鎖した。これは世界的な供給網に影響が及び始めているかもしれないという最初の兆候になった」と述べた。

ユーロ<EUR=>は対ドルで一時1.0826ドルと2017年5月以来の安値まで下落したが、その後は1.0842ドルまで値を戻した。米国株が最高値から下落したことが支援した。

堅調な米経済見通しがドルを支援している上、ユーロで資金を調達し高利回りの米資産に投入するキャリートレードもドル高につながっている。

この日発表された経済指標も欧州経済の軟調さを示唆。欧州連合(EU)統計局が発表した2019年第4・四半期のユーロ圏域内総生産(GDP)改定値は前期比0.1%増、前年比0.9%増だった。前期比伸び率は速報値と同じで、市場予想と一致した。前年比伸び率は速報値(1.0%増)から下方改定された。市場予想は1.0%増だった。

ドイツ連邦統計庁が発表した2019年第4・四半期の国内総生産(GDP)速報値は前期比0.0%となり、予想の0.1%増を下回った。個人消費と政府支出がいずれも失速し、前期比での経済成長が止まった格好で、景気後退懸念が再び浮上している。

週明け17日はプレジデンツデーで米市場は休場となる。