[ワシントン 14日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)が14日発表した1月の鉱工業生産指数は0.3%低下した。暖冬だったことから暖房需要が減り、公益部門が落ち込んだほか、米航空機大手ボーイング<BA.N>が民間旅客機の生産を減らし、製造業部門も軟調だった。市場予想は0.2%低下だった。

2019年12月の鉱工業生産指数は当初発表の0.3%低下から0.4%低下へ下方改定された。

1月の前年同期比は0.8%低下だった。

1月の前月比の内訳は製造業部門が0.1%低下。市場予想と一致した。12月の数字は当初発表の0.2%上昇から0.1%上昇へ下方改定された。1月の前年同期比は0.8%低下した。

製造業のうち、航空宇宙・その他の輸送機器が7.4%低下し、12月の0.5%上昇からマイナスへ転じた。ボーイングが今年から、運航停止となっていた旅客機737MAXの生産を停止したことを反映している。一方、自動車は好調で、1月の組み立て台数は年率で1129万台へ増えた。自動車・同部品を除く製造業指数は0.3%低下した。

公益部門は4.0%低下した。12月は6.2%低下していた。鉱業部門は1.2%上昇。12月は1.5%上昇していた。

企業がどれだけ十分に設備を稼動しているかを示す設備稼働率は、76.8%と17年9月以来の低水準。12月は77.1%だった。

エコノミストは、ボーイングの生産停止が国内総生産(GDP)を少なくとも0.5%下押しする可能性があると予想。また、中国の新型コロナウイルス感染拡大が特に電機メーカーなど製造業の供給網(サプライチェーン)混乱につながると指摘する。

ウェルス・ファーゴ・セキュリティーズのシニアエコノミスト、サラ・ハウス氏は「サプライチェーンは数十年前より中国に集約されてはいるが、製造業の在庫は比較的高水準」とする一方、部品が1つだけでも在庫切れになれば生産が滞ることもあり、今後数カ月は生産が弱含むと予想した。

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