[シンガポール 14日 ロイター] - 国連の国際民間航空機関(ICAO)は、新型コロナウイルスの感染拡大に伴うキャンセルの増加で、世界の航空会社の売上高が今年第1・四半期に40億ドル━50億ドル減少する可能性があるとの試算を示した。

ICAOは声明で、キャンセルは規模でも地域的な広がりの面でも2003年の重症急性呼吸器症候群(SARS)流行時を上回っており、航空業界に与える影響もSARSより大きいとみられると指摘した。

ICAOによると、70の航空会社が中国に就航する国際線の運航をすべて停止し、これとは別に50社が減便している。

これにより、中国に就航する国際線の直行便の旅客輸送能力は80%落ち込み、中国の航空会社は40%減少した。

これらの試算には、貨物航空機、空港、航空管制サービス会社、中国の国内線、香港、マカオ、台湾に就航する国際線への影響は含まれていない。

ICAOはまた、中国人旅行客の落ち込みにより、第1・四半期に日本の観光産業の売上高12億9000万ドルが失われ、タイでは11億5000万ドルが失われると予想した。