【LEAP】最新の研究で判明。全業界共通の「変革の原動力」

2020/2/15
生き馬の目を抜くビジネス環境の中で、企業が長期にわたって繁栄するための唯一の方法──それが「リープ(跳躍)」だ。
気鋭の経営学者であるIMD教授のハワード・ユー氏が「リープ」の概念を解説するインタビュー第2回では、なぜ多くの企業がリープに至ることができないのか、その根本的な原因に迫る。
【新】経営学の最新理論が解き明かす「絶対王者」の条件

リープの「ふたつのプロセス」

──企業は、「新たな知識領域」へと繰り返しリープを続けることで、持続的な繁栄を享受することができる……というのが昨日のお話でした。今日は、リープを可能にする諸条件について伺っていきたいと思います。
ユー リープを果たすには、新たな知識領域へと乗り出すだけでは十分ではありません。
写真業界を例に取ってみましょう。なぜ、富士フイルムはリープできて、コダックやポラロイドはリープできなかったのか? コダックもポラロイドも、デジタルカメラを作れなかったわけではありません。彼らもまた、新たな知識領域に乗り出してはいたのです。
コダックが1992年にリリースしたデジタルカメラ「DCS200」(Universal History Archive/Universal Images Group via Getty Images)
なのに彼らがリープできなかったのは、その領域をスケールさせることができなかったからです。言い方を変えると、リープのプロセスが完了しなかったのです。