[ロンドン 13日 ロイター] - 英金融業界の団体は13日、欧州連合(EU)と金融市場の相互アクセスをどのように維持しているかについて監視するための正式な対話フォーラムを立ち上げるよう求めた。

英国は前月、EUを離脱したが、移行期間が終了する12月まではEUのルールが適用される。移行期間終了後に英金融機関がEUの市場に引き続きアクセスできるかどうかは、英国の金融規制がEUと同レベルと見なす「同等性評価」が得られるかどうかで決まる。

ただ、「同等性評価」は金融業界の全ての活動に適用するわけではなく、30日前に通知すれば取り消すことが可能な場合もあり、金融機関にとっては理想的な形ではない。

英金融業界の団体、国際規制戦略グループ(IRSG)は13日付の文書で「英国とEUは規制上の自律性を保つ必要があるが、同等性の評価を与え、維持し、取り下げるための確固たるプロセスが存在すべきだ」と訴えた。

IRSGは英金融街シティ・オブ・ロンドンと英金融業界団体ザ・シティーUKの後ろ盾を得ている。

IRSGは金融業界のルールに関する正式な対話フォーラムをEUと英国の間で立ち上げるよう呼び掛け、同等性評価に関する違反について「法的拘束力のある決定」を下せる仲裁制度も含めるべきだとした。

ただ、フランスなどのEU加盟国は金融機関がユーロ建て決済・清算業務をロンドンからEUに移転することを望んでいるため、「法的拘束力のある決定」の案に反発する公算が大きい。

イングランド銀行(英中銀)総裁に来月就任するアンドルー・ベイリー氏は12日、EUのルールは全て英国の法律に組み込まれているため、英国が同等性評価を得られないことになれば異例だと指摘。

どちらかがルール変更を求める場合に対立に発展するのを避けるための仕組みづくりが必要だと語った。

EUの欧州委員会は英政府との交渉を進める権限付託(マンデート)指令案で、適切に体系化した規制上の協力に言及しているが、自主的で非正式な形になるとしている。

英国との交渉を率いるEUのバルニエ首席交渉官は今週、EU議会で、英国は金融サービスの取り決めについて勘違いすべきでないと述べ、「英国の全般的・包括的・恒久的な同等性」を認めることはないと主張した。