[ニューヨーク 13日 ロイター] - 米検察当局は13日、中国通信機器大手の華為技術(ファーウェイ)を企業秘密窃取の疑いで追起訴した。

ニューヨーク・ブルックリンの裁判所に提出された今回の起訴状によると、ファーウェイは米国のハイテク企業6社から秘密を盗むために共謀行為をして、組織犯罪規制法(RICO)に違反したとしている。またファーウェイが米政府の制裁対象となっているイランや北朝鮮などと取引したことを巡る新たな事実も記載されている。

起訴状によると、イラン政府は2009年にテヘランで起きた反政府デモの参加者を監視・特定・拘束する際に、ファーウェイが納入した監視機器を利用した。また、ファーウェイは金融機関に対し、北朝鮮との取引はないと虚偽の説明をしたという。

ファーウェイは声明を発表し「(今回の追起訴は)法の執行ではなく、競争上の理由で、当社の評判とビジネスに決定的なダメージを与えようとする試みの一環だ」と表明。「一握りの民間企業が20年近く前に行った申し立てを不自然な形でまとめたものだ」と批判した。

起訴状は、ファーウェイがルーターのソースコード、携帯電話のアンテナ、ロボット工学に関する情報を盗んだと指摘。

起訴状によると、ファーウェイは2000年以降、子会社とともに、カリフォルニア州北部を拠点とする企業からルーターの基本ソフト(OS)のソースコードや、ルーターとの通信に利用されるコマンド、OSのマニュアルを不正に入手し、米国でこの企業よりも安い価格でルーターを販売した。

この米国企業の名前は明示されていないが、米シスコシステムズ<CSCO.O>は2003年、ルーターの著作権侵害でファーウェイを提訴している。

起訴状によると、ファーウェイは、知的財産を取得するため、他の複数の企業から従業員を引き抜いたほか、研究機関の専門家を通じて技術を入手した。

米上院情報特別委員会のバー委員長(共和党)とワーナー副委員長(民主党)は共同で発表した声明で「この起訴状は、順法精神に欠ける不法組織の悪事を証明するものだ」と非難した。

ファーウェイは昨年1月、銀行を介した不正行為や米のイラン制裁違反、司法妨害で訴追された。ただ同社は一切容疑を認めていない。これらの犯罪に関与したとして2018年12月にカナダで拘束された孟晩舟最高財務責任者(CFO)も無実を主張している。

*内容を追加しました。