【渋滞解消】「マイクロモビリティ」が変える、都市交通の未来

2020/2/14

LAで始まった実験プログラム

ロサンゼルスでは、どこでも乗り捨て可能な「ドックレス方式」の電動キックボード・シェアリングが大人気だ。利用者はスマホの専用アプリでLime(ライム)やOjo(オジョ)といったシェアサービスのキックボードを解錠し、町へと繰り出す。
5秒後、その情報が市のクラウドサーバーに届く。移動(大抵は1マイル以内)を終えてキックボードを下りれば、今度は乗り捨てた場所がサーバーに登録される。移動ルートも24時間以内にアップロードされ、分析の対象となる。
電動キックボードは排ガスを出さず、騒音もほとんどない、エコで手軽な乗り物だ。とはいえ、ロサンゼルスは数百万の人口とクルマを抱え、拡大を続ける巨大都市。たった一度キックボードでバス停やコンビニまで移動したところで、大した影響があるとは思えないだろう。
ところが長い目で見れば、その一度の移動が大変革への第一歩なのだ。
ロサンゼルス市が2018年の夏に開始した実験プログラムでは、キックボードに内蔵されたGPSモジュールとユーザーのスマートフォンから、月に平均100万件のデータ(移動速度や利用時間など)が、市のクラウドサーバーに流れ込む。利用者の個人情報が明かされることはない。
1回の利用が提供するデータは数バイト程度だが、クルマ依存度の高い大都市で根深い交通渋滞を緩和しようとしているアーバンプランナーや政策立案者にとっては、貴重な情報と言える。
(Jenna Schoenefeld/The New York Times)

道路空間の奪い合いを解消せよ

交通渋滞はドライバーのみならず、地域住民にとっても大きなストレスだ。