[東京 13日 ロイター] - 日銀が13日発表した1月の企業物価指数(2015年平均=100、速報)は102.5となり、前年比で1.7%上昇した。上昇は3カ月連続で、2018年11月以来の伸び率となった。ロイターの事前予測調査の中央値1.5%上昇も上回った。米中貿易協議の進展と米国イラン間の情勢緊迫化により国際商品市況が上昇したことが、物価の押し上げにつながった。

消費税を除いたベースでは前年同月比0.1%上昇と、8カ月ぶりにプラスとなった。前月比でも0.1%上昇。

消費税を除くベースで、前月比の上昇に最も寄与したのは石油・石炭製品で、同3.0%上昇だった。一方、物価指数が下落したのは農林水産物(同2.4%下落)、鉄鋼(同0.3%下落)、電力・都市ガス・水道(同0.2%下落)だった。農林水産物は、暖冬の影響で鍋物需要が低くなり、豚肉などの価格が下落した。

消費税を除いた実力値ベースで上昇・下落した品目を数えると、公表744品目のうち、前年比で上昇したのは349品目、下落したのは313品目と、上昇が下落を36品目上回った。12月の確報値では上昇が下落を上回ったのは7品目だった。

原油をはじめとする国際商品市況が上昇したことが、1月の企業物価指数の押し上げにつながった。日銀・調査統計局の武藤一郎物価統計課長は「1月下旬以降は新型コロナウイルスの感染拡大を受けて原油市況がやや大きく下落している」と指摘。「来月以降については、石油・石炭製品や非鉄金属、化学製品、スクラップ類など、市況性の強い製品の価格押し下げを通じて、国内企業物価に相応の影響をもたらす可能性がある。今後も(新型コロナウイルスの影響を)引き続き注視したい」と話した。

(浜田寛子 編集・グラフ作成:内田慎一)