[ブエノスアイレス 12日 ロイター] - アルゼンチンのグスマン経済相は12日、同国は債務を返済する意思はあるが、財源がないと強調し、「抜本的な債務再編」が必要になるとの認識を表明した。

グスマン氏は議会での演説で、国際通貨基金(IMF)が融資条件として求めた財政緊縮策が債務危機を招いたと批判。ただ、IMFの代表団がこの日、債務を巡る協議のためにアルゼンチンに到着したのを受け、債務問題への対応で「相互理解が深まりつつある」と述べた。

アルゼンチン政府は、最大の債権者であるIMFから受けた440億ドルの融資を含め、1000億ドルの債務の再編を目指している。

グスマン氏は「抜本的な債務再編が必要となる見通しで、当然ながら債権者側は不満を示すだろう」と指摘。そのうえで、IMFが通常、融資条件として求める財政緊縮策は拒否すると表明。

「リセッション(景気後退)入りしている国にとって、緊縮財政ほど悪いものはない」と強調し、今年は基礎的財政収支の赤字縮小は目指さないとした。IMFによる2018年の融資の条件には、財政赤字の縮小が含まれていた。

JPモルガンは11日付の調査ノートで、「債務再編協議が進められるなか、同国資産への需要は引き続き低迷している」と指摘。アルゼンチン政府は今月が期限だった「AF20」国債の分割償還金14億7000万ドルの返済延期を決定したばかり。

政府はまた、10日に、投資家の関心が薄いとして、国内向け国債入札を無効にした。

ブエノスアイレスでのIMFとの協議は今月19日まで続く。アルゼンチン側は、IMFへの融資返済期限の延長だけでなく、債務再編計画について、IMFの合意を取り付けたい考え。