[11日 ロイター] - パレスチナ暫定自治政府のアッバス議長は11日、トランプ米大統領が発表した中東和平案について、イスラエル寄りの内容で、パレスチナは受け入れられないとし、拒否する姿勢をあらためて示した。

さらに、和平交渉において「米国が唯一の仲介者となることはできない」と指摘し、中東和平の国際会議の開催を要請した。

トランプ氏が1月28日に発表した中東和平案は、ヨルダン川西岸のユダヤ人入植地でのイスラエルの主権を認めたうえ、パレスチナに独立国家の建設を認めたものの、一定の条件付きで容認するなど、親イスラエル色が強く、パレスチナ側からは即座に強い反発の声があがった。

国連安保理では11日、この問題を話し合う会合が開かれ、パレスチナ暫定自治政府のアッバス議長が出席した。

アッバス氏は、米国が発表した和平案はパレスチナ国家を虫食い状態になったスイスチーズのようにしていると批判。「こんな国や条件を誰が受け入れるのか」と問いかけ、中東和平案を撤回するよう米国に強く要請し、1967年前の境界線に基づいた2国家共存を支持する国連決議に基づく交渉の再開を求めた。

会合に先立ち、チュニジアとインドネシアは、米国の和平案を批判する決議案の採決を目指したが、十分な支持が得られないため見送られた。