[東京 12日 ロイター] - 横浜港に停泊中のクルーズ船で12日、新たに39人の新型コロナウイルス感染と、検疫に当たってた検疫官1人の感染が確認された。

政府は同日、中国・湖北省に加え浙江省に滞在していた外国人も入国を拒否する措置を取ると表明。現地に滞在している日本人の早期の一時帰国と、中国への渡航延期を呼び掛けた。

<検疫官含めクルーズ船の感染は175人に>

報道によると、今回、クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス号」で感染が確認された人は、日本国籍が10人、その他は米国人や中国人など。乗員乗客(約3700人)のうち、新型ウイルスの検査を実施したのは492人、陽性が確認されたのは174人となった。

感染が確認された検疫官は3日から乗員乗客の検査を行っていた。マスクは手袋は装着していたが、防護服は着ていなかったという。

加藤勝信厚労相は午後の衆院予算委員会で、体制整備に時間がかかるとしつつ、クルーズ船の乗船者「全員を検査したい」と述べた。

菅義偉官房長官は午前の会見で、新型ウイルスの検査能力について、18日までには現状の1日300件から1000件超を確保できるようになると明らかにしている。

また、加藤厚労相は、クルーズ船の感染者を陸上の病院に搬送するには感染リスクがあることなどを踏まえ、病院機能を保有する船舶についての検討が必要との見解を示した。

<政府は入国拒否の範囲を拡大、帰国・渡航延期呼び掛け>

安倍晋三首相は同日朝に開催された新型コロナウイルス感染症対策本部会合で、13日午前0時から、中国・浙江省に滞在していた外国人も入国を拒否する措置を取ると明らかにした。

菅官房長官は、浙江省でも新型ウイルスの感染が拡大していることや、主要都市温州市での移動制限措置が講じられたことなどが理由と説明した。

外務省はホームページ上で、中国に在留する日本人と海外渡航者に対し、日本への早期の一時帰国や中国への渡航延期を至急検討するよう、呼び掛けた。

*内容を追加しました。

(田中志保)