【調査】消えゆく「ハレ」の舞台。百貨店の衰退が止まらない

2020/2/12
地方の地場百貨店が相次いで経営破綻に追い込まれている。
その最新の例が、山形県山形市の老舗百貨店、大沼だ。2月27日に山形地裁に自己破産を申請した。
大沼は1700年創業。現存する百貨店では松坂屋、三越に次ぐ老舗だが、近年は経営難に陥り、投資ファンド傘下を経て、2018年から新スポンサーの下で再建を目指していた。
山形県内唯一の百貨店だった大沼の倒産により、山形県は全国で唯一の「百貨店のない都道府県」になった。
百貨店「大沼」の山形本店(写真:毎日新聞社/アフロ)

苦境続く独立系百貨店

地方都市から次々と百貨店が消えていく。
2020年8月にはセブン&アイ・ホールディングス(HD)が、そごう徳島店の閉店を予定しており、徳島県も「百貨店のない都道府県」になる。
地方の百貨店の中でも、特に厳しいのが、流通大手や電鉄会社の傘下ではない、独立系の地場百貨店だ。すでに、多数の百貨店が経営破綻に追い込まれている。
東京商工リサーチがまとめた2000年以降の百貨店の大型倒産を負債総額順に見てみると、その多くが独立系の地場百貨店であることがわかる。