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昨日の授賞式でポン・ジュノ監督とともに注目を集めた人がいました。それは韓国最大のコンテンツ企業「CJエンターテインメント」の副会長であるMiky Lee(イ・ミギョン)さんです。

私はクーリエ・ジャポンで「なぜ世界は韓国カルチャーに熱狂するのか」という連載コラムを書いていますが、以前「CJエンターテインメント」のビジネスモデルについて分析したことがあります。
https://courrier.jp/columns/181735/ 

映画『パラサイト』の受賞の時、なぜ「CJエンターテインメント」の副会長がスピーチをしたのか、韓国国内でも議論になるほど話題になっています。しかし、映画『パラサイト』が作品としてどんなに素晴らしいと言われても世界各国に広げられてなかったらアカデミー賞の受賞までは届かなかったかもしれません。そこには「CJエンターテインメント」の力が働いたのです。「CJエンターテインメント」は映画『パラサイト』の総製作費の約14億円のなか、約12億5000万円ほどを出資し、韓国国内はもちろん、世界各国の配給を担当しています。今までのK-POPやK-MOVIE、K-DRAMAの世界進出を成功してきた「CJエンターテインメント」だからこそ可能だったところもあります。実際に映画『パラサイト』は、Miky Lee(イ・ミギョン)さんの積極的な支援をもとに全世界192カ国で公開されました。

つまり、映画『パラサイト』が世界初アカデミー賞を受賞した背景には、韓国カルチャーのグローバル戦略が大きな役割を果たしたと言えると思います。
「パラサイト」とポン・ジュノ監督という奇才を生んだ韓国映画の歴史を解説しました。政治との緊張が常にありました。

決して良い環境ではなかったなかで、一段と勢いづく韓国映画界、そして日常風景に溶けこみ始めた音楽、ドラマ、コスメなどのKカルチャー。Kカルチャーを分析していくと、日本のコンテンツ輸出という視点からも考えさせられることが少なくありません。

(記事で「パラサイト」についてのネタバレはありません)
観ます。わかりました。観ます。
これだけ周囲の人が騒いでいたら、観ないわけにはいきません。
梅田さんがコメントしていますが、マーティン・スコセッシ氏の言葉を引用しているところがグッときます。
「最も個人的なことは、最もクリエイティブなことだ」

スピーチなどで、「個人的な話ですが」と照れくさそうな前置きをすることがありますが、前置き不要です。
個人的なことこそ、聴きたいし、知りたいことです。
昨年の冬から、アメリカでも「パラサイトは見たか?」と何度も聞かれました。しかも、特にアジア系というわけでなく、さまざまなバックグラウンドの人たちに。

音楽K-Popでも同じですが、もはやアメリカにいる、韓国系やアジア系の人、もしくはアジアカルチャーファンだけでなく、マスカルチャーとして一つの閾値を超えた、というのを痛感しています。(少なくとも、人種に関係なく、日本のアニメ+K-Popを楽しみながら育つ子供たちの絶対数は増えているのを感じます)。

アジアカルチャーのファンであり、アジア情勢の専門家である川端さんならではのディープ解説をお楽しみ頂ければ幸いです。
韓国映画の歴史は本文中の川端さんの素晴らしい解説に譲り、アカデミー賞受賞の背景について。

映画それ自体が素晴らしいことが大前提ですが、アカデミー賞は近年、「白いオスカー」と批判されてきました。アカデミー賞を決める投票をする会員の9割は白人、7割は男性で候補作・受賞作にも偏りがあるという指摘です。アカデミー賞はそれを受けて、会員を大増員し、非白人や女性など多様性を広げました。

ポン・ジュノ監督が国際長編映画賞を獲った際のスピーチで、アカデミー賞の多様化を称賛したのは、そういう背景があります。作品賞受賞でパラサイト関係者が一斉に壇上に上がったときの会場からのスタンディングオベーションは感動的でした。

白人中心と批判されたアカデミー賞が、その批判を無視せずに受け止め、変わった。歴史的な瞬間だったと思います。
サムスンの創業者の孫であるミッキー・リー(イ・ミギョン)が米国映画界のパトロンであり続けてきたことも大きいですね。サムスンが設立したCJグループの副会長であり、ドリームワークスの立役者でもあります。今回のアカデミー賞作品賞の授賞式でも、最後にスピーチしていました。
 文化が広まっていくにあたり、見識が高く、有り余る私財を惚れ込んだ芸術家に注ぎ込むパトロンの存在は、古今東西で決定的に重要です。(このあたりが、役所仕事に過ぎないクールジャパン機構のダメなとことです)
 ミッキー・リー氏は、サムスンからの資金を自分の審美眼に従って使って、30年以上かけて韓国映画を米国に広めることに人生をかけていました。このような人物がいたかどうかも、韓国と日本の映画界の命運を分けた大きな違いでした。

http://japan.mk.co.kr/view.php?category=30600007&year=2020&idx=10594
スピーチもとても良かった!
「本当にありがとうございます。私が映画の勉強をしていた時に、本で読んだ言葉で、今も大切にしている言葉があります。『最も個人的なことは、最もクリエイティブなことだ』という言葉です。これは、マーティン・スコセッシの言葉でした。私は、彼の映画を見て勉強したんです。一緒に監督賞にノミネートされただけで嬉しい」
https://www.huffingtonpost.jp/entry/story_jp_5e40d369c5b6bb0ffc140c6d
この記事は力作です。韓国映画の成長の過程を、政治、経済、現代史と様々な視点から立体的に描いています。

この部分に同意してテイクノートします。
「そんな韓国映画界が長い冬を越え、春を迎えたのは2000年前後のことだ。
これは1998〜2003年の金大中政権によるところが大きい。初めての左派の進歩派であり、金大中は大胆な文化開放策に踏み切り、映画に対しては「支援をするが口を出さない」という方針で映画界に表現の自由が広がる」

芸術は、「表現の自由」の海の中で育つことを改めて確信しました。
良記事!
韓国の文化事情の歴史が分かり、学びが多かった。テレビドラマなんかも、残念ながら我が国のが学芸会に見えるくらい、緻密で迫力ある作品多いが、その背景も少し理解できた。

「最高の栄誉を手にした『パラサイト』という作品は、芸術を紡ぐ者と抑圧する政府のせめぎ合いのなかで生まれてきたのだ。」とあるが、もともと「突き抜けた芸術は、抑圧の中に生まれる」と考えている。窒息の苦しみの中に創作への怨念に近い情熱が育まれるという感じかな。抑圧時代に、ポン監督の心の内にためたマグマが、開放とともに噴出したのがパラサイトなのだろう。
絶望的格差という社会課題を扱いながら、徹底して娯楽作品として広くリーチする作りになっていて、凄みがあった。
そしてパラサイト、『真相』というより何より素晴らしいの一言に尽きる。ポン・ジュノのスピーチも、スパイク・リーの衣装も、何もかも素晴らしかった。

パラサイト然り、Jokerもそうだし、ナイブズアウトも一部そうだったかもしれないが、それらの映画が描いた格差というカモンブリーフの蚊帳の外に日本はいるのかもしれない、ええ、よくも悪くも。パルムドールではそういう共有認識よりもミクロ的な視点のプライオリティが高くて、オスカーになるともっとマクロ的な視点がより重視されるのかもしれない。パラサイトにはどちらもあったと言えるんだろうけど。

とりあえずチャパグリを作ってみたいなと。
https://jp.yna.co.kr/view/AJP20200211002000882
この連載について
今、知りたい注目のニュースの真相から全体像まで、やさしく徹底解説。プロピッカーや有識者による対談、オピニオン寄稿、直撃インタビューなどでお届けする、NewsPicks編集部のオリジナルニュース連載。