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資本主義が行き詰まった今こそ、マルクスが必要だ

NewsPicks編集部
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    静岡県立大学国際関係学部 准教授

    マルクスがあまりにも有名なのは、19世紀末から20世紀半ばにかけての影響力の大きさによります。何といっても、ロシアをはじめ、中国、ベトナムからキューバに至るまで、「革命」の方法とその後の青写真を全面的に与えたのがマルクスである、と思われてきました(実際は、かなり違うのですが)。
     それでは、なぜマルクスはそれだけ影響力を持ったのか、ですが、まず、一つにはその新しさです。マルクスが「資本主義」と呼んだのは、何千年も世界中で続いてきた経済活動です。そのありふれた身近な生き方を、資本主義と呼び、それが何なのか詳細に説明しました。そして、「あなたたちは苦しいのだ」「苦しい原因は資本主義のせいだ」「資本主義を別のものに替えることは可能で、そうすれば苦しさは無くなる」と説明してみせたのが新しさです。それは、当時進行していた産業革命で「生産力」が急拡大し、有り余るほど物をつくれるようになって、それを分配する仕組みをつくれば可能だ、という最新技術とセットの説明でした。今でいえば、ICTやビッグデータで全ての課題を解決できる、といった説明のやり方です。これは、多くの人々に「必要とされる学問」と思われました。
     もう一つ、マルクスの著作が多くの人々、特にインテリに否定しがたい「教典」となった理由は、その古さです。非常に西洋的教養のあったユダヤ人、マルクスがつくった「科学的社会主義」の体系は、ユダヤ・キリスト教の枠組みそのものでした。教会という共同体(マルクスの場合、労働組合と共産党)に入信した人々が、最後の審判(「資本主義の限界」と革命)の後に救われる、というものです。これは「歴史の必然」と説かれ、マルクスはこの教えの預言者でした。この二千年以上続いた枠組みは、人々に受け入れやすい考え方でした。しかも最新の科学技術に基づくとされており、理系を含む大学出のインテリに権威を与える仕組みでした。
     マルクスの教えは、しかし、実装するには致命的な欠陥がありました。「ソ連や中国は社会主義ではない」、というより、ソ連や中国のようにならざるをえないのがマルクスの教えです。マックス・ウェーバーが20世紀初めには喝破していたことですが、生産物が有り余っても、それを分配する方法など国家による強制力しかなく、共産党の官僚制が肥大化せざるをえません。しかも、肥大化した官僚制は、生産の妨げになっていきました。


  • ジャーナリスト

    「マルクスってロクでもない奴だな〜」というのが今回マルクス本数冊を読んでみた感想です。〆切は破るわ(軽く20年!)、金遣いは荒いわ、喧嘩っぱやいわ、家政婦に子ども産ませるわ…(フランシス・ウィーン著『マルクスの「資本論」』など)。天才あるあるなんでしょうか・・・。

    そんなマルクスにお金を送り、議論を交わし、執筆を催促し、悪筆を読み解き、死後には草稿をまとめて刊行したエンゲルス、偉すぎ。専属編集者のような働きっぷりです。

    ただ、マルクスの死後に刊行された『資本論』2巻以降はかなりエンゲルス・テイストのようで、マルクスが残した抜粋ノートをひもとく研究が近年進んでいます。取材した斎藤幸平先生が、いまの気候変動の問題につながるエコロジーの視点を見出すのも抜粋ノートからです。(斎藤先生の著書『大洪水の前に』)

    それにしても、マルクスの考えに一度触れると、物事の捉え方にいつのまにかマルクスが入り込んでいる気がしてきます。マルクスの感染力、恐るべし。


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    証券アナリスト

    く資本と労働を分離した概念と捉えるのがマルクス主義の限界。誰でも株主になれる時代はこの分離・対立をすでにアウフヘーベンしているのではないかと思います。ただ、一部の富裕層にとみが集中しているのは問題で、これをどうほぐすかが我々のテーマではないでしょうか。


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