【藤野英人】お金を稼ぐことは、人生の選択肢を増やしてくれる

2020/2/24
「老後資金は国や会社任せにせず、自分でコツコツ備える」という考え方が広がりつつある。この分野の牽引役となってきた一人が、レオス・キャピタルワークス社長の藤野英人氏だ。

12年前に積立型投資信託「ひふみ投信」をリリースし、日本の各地に眠る成長企業を発掘・応援しながら、個人の資産形成をサポートする。「R&Iファンド大賞」の“常連”になるなど実績の評価も定着し、昨年秋には海外株式に投資する「ひふみワールド」をリリース。最新刊『投資家のように生きろ』(ダイヤモンド社)がヒットを飛ばすなど、その生き方や価値観に共感するファンも多い。

過去の自身について「とにかく嫌なヤツだったんですよ」と笑う藤野氏の波乱含みの半生と仕事の哲学を聞いた。(全7回)

仕事の面白さを教えてくれた母

私がなぜファンドマネジャーという職業を選んだのか。その前に、私がなぜ仕事そのものに興味を持ったのか、という話から始めましょう。
私が「仕事」の面白さや魅力に触れた原体験は、母の存在でした。最新著『投資家みたいに生きろ』(ダイヤモンド社)でも書いたエピソードですが、私の母は「日本で最もブラジャーを売った女性の一人」です。