【入山章栄】ドラッカーが喝破した「アイデアが潰される」真因

2020/2/15
先週からスタートしたNewsPicksの音声番組「未来の古典を読み直す」。
過去数十年内に刊行された、名著として長く読み継がれるであろう一冊を取り上げ、その現代的な意味をゲストと語り合う企画だ。
第1回では、経営書のバイブルとして支持されている、ピーター・F・ドラッカーの『マネジメント』を取り上げた。
ゲストの早稲田大学ビジネススクール教授・入山章栄氏は、実は著書に「アメリカの経営学者はドラッカーを読まない」と書いた経験を持つ。しかし本企画を機に初めて本書を読み、その現代的な内容を絶賛した。
*第1回はこちら
【新】入山章栄と読み解く、ドラッカー『マネジメント』の本質
第2回では、再び入山氏をゲストに迎え、ドラッカーが見ていた日本企業のあり方や、イノベーションを阻害する組織の典型例について読み解いていく。(聞き手:NewsPicks 野村高文)
*音声版はこちらからお聞きください(マナーモードを解除してください)
イノベーションは独立部門に任せよ
野村 それにしても、入山さんがここまで『マネジメント』を絶賛するとは思いませんでした。
入山 いやあ、最高です。なんで今まで読まなかったんだろう。「誰もドラッカーを読まない」と書いた8年前の自分を殴ってやりたいです(笑)。
同時に、当時の自分には響かなかったかもしれないとも思います。今でこそいろいろな経営者と会い、いくつかの会社の役員を務めていますが、当時は頭でっかちの学者にすぎませんでしたから。
入山 章栄(いりやま・あきえ)/早稲田大学ビジネススクール教授
野村 なるほど。ただ、普遍的なことがたくさん書かれているとはいえ、40年以上前に書かれた本です。現代から見て、読む際に注意すべき点や、ドラッカーが書ききれなかったと感じる点はないでしょうか。
入山 今ならもっと多くのページを割くだろうと思うのは、「イノベーション」についてです。
イノベーションという言葉自体はところどころに出てきますが、項目として取り上げられているのは最終章である第9章「マネジメントの戦略」、しかも6項目のうち「規模」「多角化」「グローバル化」「成長」に続き、ようやく5番目に言及されています。