(ブルームバーグ): 米連邦準備制度理事会(FRB)は、新型コロナウイルスの流行は米経済見通しへの「新たなリスク」で、世界市場を混乱させる恐れがあると警告した。

FRBは7日、半年に1度議会に提出する金融政策報告書を公表。「その経済規模ゆえに、中国での深刻な機能不全は、リスク選好の後退やドルの上昇、貿易およびコモディティー(商品)価格の落ち込みを通じ、米国や世界の市場に波及する可能性がある」と説明し、「中国でのコロナウイルスの影響が見通しへの新たなリスクをもたらした」と指摘した。

FRBは、低金利が資産のバリュエーションを高めたとしたほか、社債市場でのリスクにも言及。さらに、昨年9月に起きた米レポ市場のボラティリティー(変動性)は「レポ市場の緊張が他の市場に波及する可能性を浮き彫りにした」と記した。

報告書の一部は2019年の米製造業減速に割かれた。世界の貿易摩擦や世界的な経済の低成長、企業投資の軟化、原油価格下落の掘削業者への影響、ボーイング737MAXの生産減速などの広範な問題を減速の原因として挙げた。

パウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長は11日に下院金融サービス委員会で、12日に上院銀行委員会で、経済と金融政策について証言する。

原題:Fed Warns Virus Poses ‘New Risk’ to Global Growth, Markets (1)(抜粋)

記事に関する記者への問い合わせ先:Washington Christopher Condon ccondon4@bloomberg.net;Washington Craig Torres ctorres3@bloomberg.net

記事についてのエディターへの問い合わせ先:Margaret Collins mcollins45@bloomberg.net, Ana Monteiro、Alister Bull

©2020 Bloomberg L.P.