赤字のPost-IPOスタートアップに求められるIR力
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2019年は、赤字上場するスタートアップやSaas企業が多く見られる1年でした。
この点、上場Saas企業が増えることは、会社側の説明力の向上、並びに投資家の事業の理解力向上という2つの面で、啓蒙的な効果があるのではないかと考えています。
Saas企業は定期的な安定収益が見込めるため、マーケティング予算を先行投資し、赤字を先行させながら利用者の面を取るのが定石の経営手法です。
同じ赤字でも、構造的な「悪い赤字」なのか、「産みの苦しみ」による「良い赤字」かによって全く意味は異なります。
ですが、情報開示の範囲が限られていると、投資家は「良い赤字」と「悪い赤字」を区別することができないため、どうしても保守的な態度にならざるを得ません。
この点、Saas事業の場合はLTVやCAC、チャーンレート等々のKPIを使うことで、PL数値のみに頼らず、事業の可能性を説明し、なぜ目の前の赤字が正当化できるのかを説明することができます。
実際、12月に上場したfreeeは、上場に際しての「成長可能性に関する説明資料」でサービスのKPIを細かく開示しました。また同様に、今年の1月にはマネーフォワードが決算説明資料で、自社のKPIを細かく開示していますね。
こうした取り組みが広まれば、経営側もIR力が鍛えられますし、投資家側も業績数値だけでなく、より事業の本質を把握しようという動きに繋がるのではないかと期待する次第です。赤字/黒字という結果でだけでなく、記事にあるように同じ良い赤字なのか、悪い赤字なのかによって全然違う
そこを無視したメディアの「xx社、赤字決算」みたいな報じ方はいつも違和感を感じる