【米大統領選】アイオワの「デジタル集計」が大頓挫した理由

2020/2/7

民主党の「競争心」が発端

米大統領選の候補者選びの幕開けとなる、民主党のアイオワ党員集会。この一大イベントで、票集計作業に大混乱をもたらした“欠陥アプリ”を手掛けたのは、シャドウ(Shadow.Inc)という、ほぼ無名の会社だった。
シャドウを立ち上げたのは、前回の大統領選で敗北を喫したヒラリー・クリントン陣営のOBたちである。同社はこれまでにも数々の失態を重ねており、一度は倒産しかけたこともある。
問題のアプリは、多数の民主党員の支持を受け、寄付金から流れた数千万ドルもの資金を味方につけて開発された。
その背景にあるのは、2016年の大統領選以降、首尾よく成功を収めてきた共和党のデジタル戦略に対する民主党のライバル意識だ。
デジタル競争でなんとか優位に立ちたい民主党は、多大なるエネルギーと資金をシャドウのような企業に注ぎ込んできた。
(Alex Wong/Getty Images)

格好のアピールになるはずが…

その努力は、無残な結果を招いた。