[東京 6日 ロイター] - 前場の東京株式市場で、日経平均は前営業日比483円63銭高の2万3803円19銭となり、続騰した。前日の米国市場が大幅上昇となったほか、為替相場で円安が進んだことを背景に幅広く物色された。急ピッチな戻りとなったことで先物市場ではショートカバーが活発になり上げに弾みを加え、日経平均は500円近い上昇となった。

1月のADP全米雇用報告は、民間部門雇用者数が2015年5月以来の大幅な伸びを記録した。米供給管理協会(ISM)の1月非製造業総合指数(NMI)も55.5と昨年8月以来の高水準となり、米経済の緩やかな拡大が続いていることが示された。

これらを背景に、5日の米国株式市場は3日続伸。S&P総合500種<.SPX>は、新型コロナウイルスによる経済への影響を緩和するため中国当局が大規模な資金供給を実施したことを受け、直近の下落分を全て取り戻し終値ベースで過去最高値を更新した。

また、外為市場ではドル/円が109円台後半まで上昇し、輸出関連株を中心に買い安心感が生じた。

市場では「新型コロナウイルスによる肺炎感染拡大についての見方が落ち着く一方、米国の強い経済指標などが好感された。ただ、商いがそれほど盛り上がらず、先物主導であるところが気になる」(岡三オンライン証券・チーフストラテジストの伊藤嘉洋氏)との声が聞かれる。 TOPIXは1.94%高で午前の取引を終了。東証1部の売買代金は1兆2768億9700万円だった。東証33業種では、全業種が値上がりした。個別では、トヨタ自動車<7203.T>など輸出関連株が総じてしっかりとなっている。また、指数寄与度が高いファーストリテイリング<9983.T>が大幅高となった。 東証1部の騰落数は、値上がりが1927銘柄に対し、値下がりが187銘柄、変わらずが45銘柄だった。