[ワシントン 4日 ロイター] - 新型コロナウイルスの感染拡大に絡む渡航・入国制限が米国への中国人旅行客の減少につながり、米経済に打撃を与える可能性があるとアナリストが警鐘を鳴らしている。

オックスフォード・エコノミクスは、新型ウイルスの感染拡大を受け、中国人旅行者による米国での支出が今年の大半に103億ドル失われると試算する。

ムーディーズ・アナリティクスの首席エコノミスト、マーク・ザンディ氏も、中国人旅行客の減少は米経済と新型ウイルス拡大の最も直接的な関連を反映していると指摘する。

ツーリズム・エコノミクスによると、2002年に流行した重症急性呼吸器症候群(SARS)終息以降、中国から米国への渡航者(学生含む)は1270%急増し、19年には280万人に達した。

オックスフォード・エコノミクスは、中国人旅行者1人当たりの支出は航空運賃や教育費を除くベースで1旅行につき平均6000ドルと算出する。

中国人旅行客の減少によって大きな打撃を被るとみられているのは、旅行先として人気の高いカリフォルニア州ロサンゼルス近郊のリバーサイドやナイアガラの滝に近いニューヨーク州バッファロー。