[東京/サンフランシスコ 3日 ロイター] - パナソニック<6752.T>は3日、米電気自動車(EV)メーカーのテスラ<TSLA.O>向け米電池工場が四半期ベースで初めて黒字化したことを明らかにした。両社は2014年に協力して電池工場の建設で合意し、これまで赤字が続いていた。

決算会見で梅田博和CFO(最高財務責任者)が述べた。両社は米国でギガファクトリーと呼ばれる大規模な電池工場での生産で協力しており、3月末までに生産が年32ギガワット毎時まで引き上がる見通しだとした。同工場の生産能力は35ギガワット毎時。

テスラが29日発表した第4・四半期決算は、納車台数が過去最高水準に達し、2四半期連続で黒字を確保した。

パナソニックが同日発表した2019年10─12月期業績(国際会計基準)は前年同期比で増益となっており、テスラとの協業の改善も寄与した。

4─12月期の営業利益は前年比17.8%減の2406億円だった。売上高は前年比5.4%減の5兆7556億円。

海外では車載電池が伸長した一方、テレビの苦戦や中国市況悪化の影響を受けた車載機器などの販売減で売り上げが落ち込んだ。

為替の年間見通しは1ドル108円(10月31日時点107円)、1ユーロ120円(同118円)とした。1人民元15.6円は変更しなかった。

2020年3月期の業績予想は据え置いた。営業利益予想は前年比27.1%減の3000億円で、リフィニティブが集計したアナリスト20人の予測平均値は2951億円。

この発表を受けた3日の米株市場で、テスラ株は20%急騰。2013年以来、最大の上げを記録した。

先週29日の第4・四半期決算発表以降、テスラ株は30%超上昇。昨年6月以降では300%以上値上がりしている。

また、投資運用会社アーク・インベストが31日付の顧客リポートで、テスラ株が2024年までに7000ドルを付けると予想したことも株価を支援。自動運転車「ロボタクシー」事業などで利益が見込めるという。

テスラは米株の中で最もショート(売り持ち)にされている銘柄。このところの株価急伸は、テスラ株の下落を見込むショートセラーに損失を与えている。金融分析会社S3パートナーズによると、3日時点でショートセラーの含み損は25億ドルを超え、年初来の含み損は80億ドル以上に達した。

*内容を追加しました。

(平田紀之 編集:青山敦子)