[東京 31日 ロイター] - 経済産業省が31日発表した2019年12月鉱工業生産指数速報は98.9と前月比1.3%上昇し3カ月ぶりのプラスとなった。液晶製造装置や半導体などの生産増が寄与した。

もっとも10─12月期では前期比4.0%低下しており、現行基準の統計が開始した2013年以来で最大のマイナス幅となっている。

生産予測指数は1月が前月比3.5%上昇、2月が同4.1%上昇。経済産業省は生産の基調判断を「弱含んでいる」で据え置いた。ただし、生産予測には新型コロナウイルス・肺炎の影響は「全く織り込まれておらず、今後の動向を注視する」(経産省幹部)という。影響は「数字をみてみないとわからない」(同)としている。

12月の鉱工業生産は前月比で、生産用機械や汎用・業務用機械、電子部品・デバイスなど6業種が上昇した。一般用蒸気タービン、コンベヤ、液晶パネル、石鹸、橋梁などが増えた。

一方、自動車、輸送機械、窯業・土石など9業種は低下した。自動車、航空機部品、安全ガラス、鋼材、紙おむつ、タイヤなどが減少した。

この結果12月の在庫指数も前月比1.6%上昇の105.0と、2013年以来で最高水準となった。経産省は「需要減だけでなく、イベント販売向けの前向きな在庫積み増しなどの声もある」(幹部)と解説している。

*内訳やコメントを追加しました

*経産省の発表資料は以下のURLでご覧ください。

http://www.meti.go.jp/statistics/tyo/iip/index.htm

(竹本能文 編集:田中志保)