[東京 30日 ロイター] - 前場の東京株式市場で、日経平均は前営業日比365円80銭安の2万3013円60銭となり、急落。引き続き新型肺炎に対する警戒感が強いほか、円高に振れた為替相場も気にされている。さらに、SCREENホールディングス<7735.T>の下方修正によって、企業業績に対する不安感も台頭。全体的に売り優勢の展開となった。日経平均は2万3000円割れ寸前まで下落、大台攻防戦の様相を呈している。
前日の米国株式市場はFOMCの声明にほとんど反応を示さなかったが、パウエル議長の会見を受け、徐々に値を消す展開となった。FRBは、予想通りフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を1.50─1.75%に据え置くことを決定。パウエル議長は、見通しは引き続き不透明だと指摘し、中国を中心とした新型コロナウイルスの感染拡大に言及した。
外為市場ではドル/円が108円台後半まで円高に振れ、これも株価を下押しする要因となっている。国内では3月期企業の第3四半期決算発表がピークを迎えるが、「SCREENホールディングスの下方修正により、業績が向上すると思われた景気敏感セクターに対して疑念が生じたことが、下げの要因として大きい」(岡地証券・投資情報室長の森裕恭氏)という。
市場では「完全に見送りムード。後場は日銀のETF買いに支えられる可能性もあるほか、値ごろ感から突っ込み買いが入りそうだが、今回の調整は長期化する恐れが出てきた」(国内証券)との声が出ている。 TOPIXは1.47%安で午前の取引を終了。東証1部の売買代金は1兆0463億2100万円だった。東証33業種別では全業種値下がりした。
個別では、 SCREENホールディングスがストップ安。トヨタ自動車<7203.T>など主力の輸出関連株が総じて安い。半面、ファナック<6954.T>が上方修正を好感する形で逆行高した。 東証1部の騰落数は、値上がりが197銘柄に対し、値下がりが1904銘柄、変わらずが54銘柄だった。