[29日 ロイター] - 米電機大手ゼネラル・エレクトリック(GE)<GE.N>は29日、米ボーイング<BA.N>の旅客機「737MAX」向けエンジンの納入を今年、約半数に削減すると発表した。

カルプ最高経営責任者(CEO)は電話会議で、GEは737MAX機向けエンジンの生産を遅らせると指摘。ただ部品供給会社を保護し、2020年下半期からのエンジン生産増加に備えるため、製造ラインの稼働は維持するとした。

またGEの予測は、ボーイングが見込む今年下半期の運航再開計画に基づいているとし、3月4日に詳細な見通しについて議論するとした。

一方、厳格な経営や効率的な製造によって問題解決を図ると強調。このような取り組みは電力部門で行われてきたが、引き続き取り組みが必要と語った。

この日、発表された第4・四半期決算(12月31日まで)は利益とキャッシュフローがアナリスト予想を上回った。航空機部門が寄与した。GEの利益およびキャッシュフローが市場予想を上回るのは4四半期連続で、株価は一時10%超上昇し、1年超ぶりの高値を付けた。

2020年の1株当たり利益見通しは0.50─0.60ドルと、アナリスト予想の0.66ドルを下回った。工業部門のキャッシュフローは20億─40億ドル。アナリスト予想は30億ドルだった。

第4・四半期の調整後1株利益は0.21ドル。リフィニティブのアナリスト予想0.18ドルを上回った。工業部門のキャッシュフローも39億ドルと、アナリスト予想34億ドルを上回った。

一方、電力部門では、通期の売上高が16%減、受注が25%減となった。昨年は大型受注が繰り返し発生しなかったことが主因という。

売上高で同社最大の航空機部門は通期の受注が3%増、売上高が8%増となった。ボーイングの737MAX機の運行停止が寄与した。アナリストによると、GEが製造しているボーイング向けエンジンはほとんど利益のない状態で販売されており、この販売がないことで航空機部門の利益率が改善しているという。

昨年の工業部門のフリーキャッシュフローは16億ドルと、目標だったゼロ─20億ドルのレンジ内に収まった。工業部門のオーガニック売上高は880億ドルで、オーガニック売上高フリーキャッシュフロー比率は約0.02だった。

リストラ費用は12億ドル。従来計画では20億ドル以上を費やすとしていたが、大きく下回った。

ゴードン・ハスケットのアナリスト、ジョン・インチ氏は「キャッシュ面は改善しているが、利益の多くはコストが従来予想から減少したためだ」と述べた。

第4・四半期の総売上高は約1%増の262億4000万ドル。株主に帰属する継続事業からの利益は6億6300万ドル。前年同期は5億0900万ドルだった。継続事業からの1株利益は0.07ドルと0.06ドルから増加した。