[シドニー 28日 ロイター] - ナショナル・オーストラリア銀行(NAB)<NAB.AX>が28日に発表した12月の企業景況感指数は、1ポイント低下しプラス3となり、長期平均のプラス6を引き続き下回った。

長引く山火事による影響がまだ完全に反映されていないものの、信頼感指数は2ポイント低下し、マイナス2で、2013年半ば以来の低水準を記録した。売上高指数と収益指数の双方が悪化した。一方、雇用指数はプラス4で横ばいとなった。

NABグループのチーフ・エコノミスト、アラン・オスター氏は「民間部門が引き続き低迷していることが示された。10─12月期も弱い数字になる見通しだ」とし「現時点で山火事による影響はまだ明確には表れていないが、1月はより大きな影響があったはずだ」と指摘した。

山火事は収まる兆しはなく、年末年始のピークシーズンに観光業や消費者心理への打撃となった。

オスター氏は「企業景況感は最悪期を越したようだが、今後の見通しを示す指数は低迷が続くことを示している」とし、「2020年に景気を下支えするためさらなる刺激策が必要だと考えている」と語った。

豪中銀は昨年3度の利下げを行い、金利は過去最低の0.75%となった。利下げで住宅価格は上昇したが、消費刺激効果は限定的。

金融市場<0#YIB:>は、年央までに少なくともあと1度25ベーシスポイント(bp)の利下げがあると予想している。ただ、2月4日の政策会合で金利変更を予想する向きはほとんどいない。

NABの指数では、業界ごとに業況感がまちまちとなっていることが示された。卸しや鉱山部門は大幅に改善。一方、金融、ビジネス・不動産サービス部門は悪化した。小売や建設部門で信頼感が低下。サービス部門はより堅調だった。

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