【ノジマ社長】スルガ銀行を傘下に入れた「本当の狙い」を話そう

2020/1/28
2018年にシェアハウス「かぼちゃの馬車」問題などで巨額の不正融資に揺れて、2019年3月期に1000億円近い大赤字を出した地方銀行のスルガ銀行──。
不正融資が明らかになる直前までは「地銀の雄」とも言われていたが、その信用は一瞬で失墜した。
本社を静岡県沼津市に置き、静岡県から神奈川県を中心に展開するスルガ銀行はその後、経営難に陥り、救済を他企業に求めた。
そして、最終的に救済したのは、金融企業ではなく、家電量販店国内6位のノジマ(横浜市)だった。
出所:NewsPicks編集部作成
ノジマは、2018年からスルガ銀行株を買い進めてきた。
そして、2019年5月、スルガ銀行とノジマが業務提携に関する基本合意書を締結。2019年10月には、ノジマがスルガ銀行創業家およびファミリー企業が保有する株式を約140億円で取得している。
ノジマのスルガ銀行持ち株比率は、取得前の4.99%から18.52%に上昇し、筆頭株主となった。
今後、ノジマはスルガ銀行への追加出資をするのか。どのようなシナジー(相乗効果)を見込んでいるのか。ノジマの野島廣司社長(69歳)がNewsPicks編集部の独占インタビューに応じた。
2019年60周年を迎えたノジマは、1959年に神奈川県相模原市で創業。家業を受け継ぎ、家電量販店大手に成長させた野島社長から出た言葉から、金融に対する「本気度」が垣間見えた。
野島廣司(のじま・ひろし)ノジマ社長
1951年1月生まれ。1973年、有限会社野島電気商会(現ノジマ)入社。1978年にノジマ取締役、1991年専務を経て、1994年社長に。2017年より アイ・ティー・エックス社長、ニフティ取締役を兼務。69歳(撮影:大隅智洋)

従来の発想では変われない

──ノジマは2018年からスルガ銀行株の取得を始めて、2019年末に追加出資が決まり、18.52%の筆頭株主となりました。改めて、スルガ銀行への出資の意図を教えてください。