【佐々木康裕】D2C時代に「リスペクトされる企業」の条件

2020/2/8
新刊『D2C 「世界観」と「テクノロジー」で勝つブランド戦略』(NewsPicksパブリッシング)が話題の佐々木康裕氏が、ビジネスパーソン向けに「D2C時代の歩き方」を解き明かすインタビュー。第2回は、「D2Cがもたらす未来」を考察する。

「編集思考」の大切さ

──前回のお話では、D2C時代のビジネスパーソンには「デジタル思考」と「編集思考」の2つのスキルが求められるということでした。「編集思考」は、どのようなシーンで必要になってくるのでしょうか?
佐々木 今の時代、新しいサービスを展開するのに必要なツールはおおむねそろいつつあります。したがって、これから重要になるのは、それらをどう組み合わせていくかを考えることです。
従来の企業の発想では、あくまで「自分たちに何ができるか」という方向で考えがちなのですが、自分たちだけで完結させずに、他者も巻き込みながら何ができるのかを考えていく。それが、今後の大きなポイントになっていくでしょう。
これを端的に言い表したのが「囲い込みから呼び込みへ」というフレーズです。
自分たちを中心としながら、いろいろなプレーヤーを呼び込んでいき、呼び込んだプレーヤーの知見や経験、能力などを編み合わせながら、新しいビジネスを作っていく──そんな「編集的」な視点が必要になってくると思います。

企業が「政治家化」する時代

──「自分たちだけで完結させない」というのは、前回の「自分たち世代の価値観にとらわれず、別の世代の価値観を理解し、共感することが大切」という話にも通じますね。