[ダボス(スイス) 23日 ロイター] - ドイツのメルケル首相は23日、政府が構築する第5世代(5G)移動通信システムの参入業者選定について、多様化こそ安全性を確保する上で重要とした上で、1社を完全に排除するのは逆効果という考えを示した。

5Gを巡っては中国の通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)[HWT.UL]の製品を使用した場合、サイバー攻撃に対する防御に問題が生じる恐れがあるとして、米国などが安全保障上の理由から排除に動いている。

メルケル首相は世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)でファーウェイの名指しを避けつつ「身の安全を確保しようと考えた場合、必要に応じて多様性や重複を図れば最も安全になる。もし特定の業者を完全に排除すれば、安全でなくなる」と語った。

欧州連合(EU)が22日発表した新指針によると、域内各国は5G業者の選定に当たり、リスク度合いに応じて自国通信網の中心機能への関与を制限したり、排除することが可能になる。指針に強制力はないが、ファーウェイには痛手になる可能性もある。

メルケル首相はイラン問題について、核合意の早急な放棄は望ましくないと指摘。不完全な合意であっても、他に何もないよりはましだと述べた。