[東京 23日 ロイター] - 財務省が2020年度予算審議に併せて国会に提出する試算のうち、国債発行の約7割を占める借換債について、次年度にあたる21年度の発行収入額を94兆5700億円と想定していることが分かった。09年度以来12年ぶりの低水準となり、想定通りなら、市中で取引される国債の需給ひっ迫要因となりそうだ。複数の政府筋が明らかにした。

20年度予算案に基づき、向こう3年の財政状況を同省が試算した。年率1.5%の経済成長にとどまれば歳出の伸びに沿って新規国債の21年度発行額は33.4兆円と、第2次安倍政権以降で初めて増加に転じるが、年率3%成長を実現すれば、新たな借金は当初ベースの比較では増えない。

一方、国債整理基金の将来推計では、借換債発行額の目安とされる21年度の収入見込み額が09年度当初に計上した90兆9914億円以来の低水準だった。20年度計画額は107兆9818億円で、これを15%程度下回る見通しとなる。同省が24日発表する。

(山口貴也)