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これらの林業機械を効果的に利用しようと、林道をいくら整備しても地形的な制約から限界があり、結果効率化を図れていないのが現状です。
北欧の林業機械を導入するのではなく、日本の地形に合った独自のスマート林業化を図るしかないと思います。
日本の山林のほとんどが急斜面だからこうはいかないのは想像に難くないですが。
最近、日本女性と結婚して神奈川に移住したアメリカ人男性を取材しましたが
彼は自宅をほぼセルフビルドで、まずは斜面地を宅地に転用、石垣を組んで基礎を作り、木の伐採からやっています。
ログハウスの規模ではなく、いわゆる日本の100年前の古民家のような自宅をセルフビルドしているのです。
木は運搬が大変なのでなるべく近隣の木を切って、最低限加工して曲がったまま梁などに使う昔ながらの工法でした。
建設から5年経ってまだ完成していませんが、元々かれは人材派遣会社で働くホワイトカラーだったので技術を身につけながらの作業です。
「時間をかければ誰でもできますよ」と爽やかに笑っていて衝撃を受けました。
現代的な生産性に囚われなければ、日本の山はきれいな水があるし、木はどんどん生えてくるしで宝の山と言えるでしょう。
農業もしかりなんですが、日本は雨もあってそこそこ温暖で、有機物は多いし家庭菜園で適当にやっても作物がどんどんできる地力があります。
しかし生産性という観点や、自給率という観点からすると途端貧しく見えてしまう。
そもそも物差しや尺度がフィットしていない感じがします。
日本ならではの豊かな暮らしを実現できる暮らしと産業のあり方は、発想の仕方から変える必要があるのかもしれないと思いました。
建機では日本メーカーは強く、そして例えばコマツは昨年米国の林業機械メーカーを買収している(下記)。買収したTimberProのHPみると、アダプターだけでなく自社機械もあるが、エンジンや油圧部品などの共通部品利用など広げていくのではないかと思う。
https://home.komatsu/jp/press/2019/management/1201754_1600.html
このような特集が組まれた場合、北欧を林業先進地として引き合いに出されることが多いのですが、彼の国々の先進性や生産性だけではなく、北欧の「樹種の少なさ」についても言及がほしいところです。
北欧の山林はそもそもがパインやスプルース等の針葉樹が大半を占め、かつ地形条件により林道を通しやすい立地に真っ直ぐ生育しています。また乾燥した気候条件もあり、それらの樹種だけでほぼほぼ自国の建築需要をまかない、外貨獲得手段として対外輸出される分も含め計画的に管理されています。
一方で日本に於いては、
①杉・桧・松・モミ・ヒバ・ナラ・栗・クヌギと針葉樹と広葉樹が地方によって入り交じる天然林
②杉・桧をメインに山主によって手の掛け具合の異なり且つ地方によって木味の差異が出る人工林
と、古来からの地域ごとの樹種や品質・育成状況にはパッと思い付くだけでも相当なバラツキがあり、さらに立地によってクリアしないといけない気象条件(湿度・雨風雪・土壌強度etc...) それらに応じて地場の大工さんが適材適所に加工して組み合わせ、家や寺社等を建ててきた歴史があります。
技術革新やICT化が進み、確かに手段としての林業はスマートになりつつあり、それが世界の潮流です。しかし、翻って見る我が国の林業や木材業の特色は、多様性と対応力です。最先端の設備やトレンドに合わせた経済合理性はもちろんとても重要な事です。ただまずは己を知りたい。そして、生育・地形条件の違いや歴史的背景の確認から始まり、多様性を認識した需要喚起に結び付けられるような、丁寧な議論が活発になってほしいと願います。
我々木材流通業者も色々とこれから実行に移そうとしているアイディアを持っています。多様性を武器に次代の価値観を考えていきませんか?隣の芝生は青く美しいかも知れませんが、我々の庭もなかなか味があって捨てた物じゃないんですよ(^^)
そもそもですが、地質や傾斜といった環境条件が異なりすぎるので、欧米と日本の数字的な比較は何も意味ないし誤解を招くので、やめた方がいいです。サッカーとフットサルの試合の選手を比較しているようなものです。
ハイテク林業機械といっても国内と北欧で使われてるものは大きく異なり、多くの日本の「ハイテク機械」は建機のヘッドを林業用のものに変えただけです。北欧はそもそも機械自体が林業用にデザインされてます。北欧は平らなので、機械で森の奥まで入っていけるので昼夜二交代でやってます。重機を降りずにほぼ全ての仕事ができるので安全。一方、日本だと傾斜があるので重機が入れる場所が限定的でチェンソー担いで切る必要があります。生身なので危険だし日が暮れたらできないです。
多くの地域では森林組合や林業会社がハイテク機械を購入しており、5ha以下の山主が買うわけではないです。山主はそれら業者のお客さんです。小規模所有の山主さんは基本的に森林経営意欲なくマーケット感覚もないので、営業にきた業者におんぶに抱っこで交渉力ないので、それが山主にお金が戻らない一因と考えています。本来、森林組合が山主の代理人の役割なはずですが、その機能を果たしているところはかなり少なそうで、森林組合も職員を食わせるために太陽光発電所の伐採などなどにいきがちです。
言いたいことたくさんありすぎて書ききれないのでやめますが、欧米と同じマーケットで戦うことは早く諦めた方がいいです。
僕からの提案は
1. 多くの地域では同規格大量生産は無理なので、ロングテールに切り替え、多様な樹種を植えて将来的にはインテリアや家具向けの林業を目指す。(今後の気候変動へのリスクヘッジにもなります)
2. 経営意欲のない山主が地域の目を気にせず市場から出ていけるよう仕組みを作る。
3. 地域の森林の価値をそれぞれ再定義し、補助金によらずに縁のある企業や個人に投資、寄付を促せる仕組みをつくる。
事業者は家族経営なため、一事業者当たりの森林が狭く、費用対効果が得られません。
また、このような機械は、北欧やドイツと比べて、急斜面の多い日本の山には合わないことが多分にあります。
私が知る和歌山の山長商店では、メーカーと連携して機械を開発しています。日本では、機械を輸入するだけではなく、機械の開発も必要なのです。
しかし、売れなければメーカーも開発してくれません。
機械の購入だけでなく、開発にも補助金が必要なのです。
また、更には一事業者が小さいことで林業が成り立たないので、サプライチェーンを全般的に見直し、
まず、山主を集めて共同事業体とすると共に、山主と製材業者も共同事業体にし、
付加価値が十分に高くなる製材後のプレカット(建設現場で使える状態)までを行えるようにした方が良いと思います。
日本は林道が狭いため大型マシンの導入がむずかしい。であれば、二足歩行のロボットを開発すればいい、と思うのですが。
5Gの時代に突入します。日本ならではのテクノロジーにチャレンジしてほしい!
樹、森林、ハード、使うひと、木材のニーズ、山の地図などが、
データでつながって活用できるか。これまで記事にあった林道などの問題でうまく活用できない、などが解決すべきことと思いますし、記事にある十勝のような成功例から展開していって欲しいです。
この他ドローンで山の樹木の個体を把握なども進んでいると思います。
https://www.fddi.jp/program/komatsu-forest
http://www.pref.mie.lg.jp/ringi/hp/000232832.htm