[クアラルンプール/シンガポール 21日 ロイター] - 経営再建中のマレーシア航空に対し、エールフランスKLM<AIRF.PA>が最大49%の取得を提示した。日本航空(JAL)<9201.T>は25%の取得を検討している。関係筋が明らかにした。

マレーシアのエアアジア<AIRA.KL>とマリンド・エア、ライオン・エア(インドネシア)のマレーシア部門も出資を提示したという。

関係筋の1人は「外国航空会社からの提示は、マレーシアを業務上の戦略的地域と位置付けたうえでの包括的かつ戦略的提案だ」と述べた。

マレーシア航空は経営難に陥っていた2014年に非公開化され、政府系ファンドのカザナ・ナショナル[KHAZA.UL]が未保有だった30%を14億リンギ(3億4500万ドル)で取得していた。

JALは合弁事業を通じてマレーシア航空との提携を拡大することを検討しているとしながらも、出資の可能性についてはコメントを控えた。両社は昨年、マレーシア─日本間のフライトに関する合弁事業で合意している。[nL4N2391CP]

マレーシア航空とJALは航空連合ワンワールドに加盟している。一方エールフランスはスカイチームに加盟。

モルガン・スタンレーを昨年、経営再建上のアドバイザーに指名したカザナは、政府と緊密に協議しているとし、「いくつかの提案があり、すべてが検討の選択肢」としている。

ただ、カザナの会長を務めるマハティール首相は、カザナの選定作業に「完全には満足していない」と発言。カザナとマハティール首相の間に摩擦が生じていることが浮き彫りとなっている。

関係筋によると、エールフランスは整備・補修・総点検サービスのハブをマレーシアに開設することを提示。一方JALはローコストキャリア(LCC)を含めた地域ハブとすることを提案している。

経済ニュースサイトのフォーカス・マレーシアは20日、公式文書を引用してカザナはエアアジアの長距離航空部門エアアジアX<AIRX.KL>との統合を進めると報じた。ただ関係筋は「エアアジアは競争上の懸念があるため、現状では国際企業の関与がおそらくは好ましい」と述べた。

*内容を追加しました。