[ミュンヘン 20日 ロイター] - 米フェイスブック<FB.O>の広報担当トップを務めるニック・クレッグ氏は20日、今年の米大統領選では4年前の選挙時と比べて、悪意のある情報操作をよりうまく阻止できるとの見通しを示した。ドイツのミュンヘンで行われた情報技術(IT)関連会議で述べた。

同氏は、2016年米大統領選へのロシアなどの介入は「すべての人に衝撃を与えた」と指摘した上で、同社がそれ以後、フェイク(偽)ニュースの拡散抑制に向け効果的な対策を講じていることに言及。現在は、ほとんどの過激主義的な政治コンテンツが公開される前に検出されていると説明した。

「外国からの選挙介入を阻止する弊社の対策は、一段と改善している」と強調した。

16年米大統領選のロシア介入疑惑を巡るモラー特別検察官の捜査報告書では、ロシアがトランプ大統領に有利になるよう、フェイクニュースをはじめとする対立的なメッセージを拡散するため、フェイスブックを利用したことが判明した。

クレッグ氏はまた、ドイツ紙フランクフルター・アルゲマイネ・ ツァイトゥングへの寄稿文で、フェイスブックの分割を求める動きに反発し、議会や規制当局に対し、さならる競争を促す環境作りに取り組むよう求めた。

「テクノロジーセクターが社会のニーズを確実に満たすようにするには、成功している企業を単に分割するよりも、同セクターを規制するほうがはるかに効果的だ」と指摘。

欧州連合(EU)の欧州委員会に対し、フェイスブックユーザーが他のソーシャルネットワークにデータを移動しやすくするなどの対策を取るよう促した。