[ケープカナベラル(米フロリダ州) 19日 ロイター] - 実業家イーロン・マスク氏率いる米宇宙開発企業スペースXは19日、米フロリダ州で宇宙船「クルー・ドラゴン」が打ち上げロケットから緊急離脱する脱出実験に成功した。米航空宇宙局(NASA)の飛行士を国際宇宙ステーション(ISS)に有人輸送する計画の実現に向け、大きな一歩となる。

クルー・ドラゴンは7人乗り設計のスコーンの形のカプセルで、ダミーの人体を2体座らせて「ファルコン9ロケット」に搭載され、午前10時半に打ち上げられた。数分内に打ち上げ失敗を模してロケットのエンジンが止まると、ロケットから射出され、打ち上げから約8分後にケープカナベラル沖約19マイル(32キロメートル)に軟着水した。

ロケットは海上に墜落した。

マスク氏は記者会見で、クルー・ドラゴンは商用ジェット機のほぼ2倍の高度である上空40キロメートルで「音速の2倍以上のスピードで」ロケットから無事脱出したと説明。「非の打ちどころのないミッションだった」と述べた。

NASAの担当者も実験は成功したと述べた。

NASAは早ければ今年半ばにも飛行士をISSに輸送する計画で、今回の実験はクルー・ドラゴンの性能を確認する重要なもの。当初は昨年半ばに実験が予定されていたが、同年4月の打ち上げ実験で離脱の射出直前に爆発事故を起こし、延期されていた。最終実験は今年4-6月に予定されている。