[ニューデリー 17日 ロイター] - 中国の自動車大手、長城汽車(GWM)<601633.SS>は、米ゼネラル・モーターズ(GM)<GM.N>からインドにある工場を買い取ることで合意した。中国国内の需要が鈍る中、インド市場に活路を見いだす。

取得手続きは年後半に完了する見込み。ある関係筋は、長城汽車が工場取得のために約2億5000万─3億ドルを支払うと明らかにした。

長城汽車を工場取得を足掛かりに、向こう1年以内にインドでの生産開始を目指すとみられる。一方、GMは今後インドでの生産から撤退する公算が大きいという。

長城汽車の海外戦略副社長、劉向上氏は「インド市場は急速に成長しており、投資環境は良好で多大な潜在力を秘めている。インド市場への参入は当社の海外戦略にとて重要な一歩になる」と述べた。

GM海外事業部門のブリセット上級副社長は「当該工場での生産停止は、当社の海外戦略に基づく」とした。

中国の自動車メーカーは、国内での販売減速を受けてインドでの生産計画を加速させている。中国自動車最大手、上海汽車集団(SAIC)<600104.SS>は既にインドで生産・販売を行っており、関係筋によると同社の成功がライバル社を刺激しているという。

インドの自動車販売は不振が続いているが、英調査会社のLMCオートモーティブによると、インドは2026年までに中国、米国に次いで世界第3位の自動車市場になると予想されている。