卓球・平野美宇が高校生に敗れ、5回戦で姿消す…独特の軌道に苦しむ
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試合は終始、相手の出沢選手が主導権を持つ形で展開していきました。しかしこれは、平野選手が消極的なプレーや凡ミスで精彩を欠いたのではなく、相手の「球すじ」が極めて異質で、平野選手が対応しきれなかったのだと感じました。
出沢選手の卓球のスタイルは異色です。どれぐらい異色かと言うと、野球ではナックルを武器とするピッチャーぐらい異色です。
野球でピッチャーの球すじが影響するように、卓球も相手の打球の球すじを読むのが極めて重要なスポーツです。
出沢選手のラケットを見ればわかりますが、ラバーはフォア側もバック側もともに「イボ」ラバーで、しかもフォア側はイボの高さが低く、バック側はイボが高いラバー。まずこの組み合わせの選手自体が100人のうち1人もいないほど特殊であり、それを使いこなすのは野球ではゴム製のバットを使いこなすぐらい極めて難しい。特にバック側のラバーは、対戦相手が平野選手のように強烈なドライブを放つ選手であればあるほど返球の球すじが特殊になり、威力を発揮します。平野選手が連続して攻撃するのではなく、慎重に球をフワリと浮かせて返球せざるを得なかったのは、出沢選手の球すじと、見事な打法によるところが大きい。
国際大会ではまず出てこないタイプの相手ですので、平野選手のオリンピックでの懸念はほとんどないと思います。