中国、12月輸出は予想上回る増加 原材料輸入増加し内需に薄日
Reuters
2020/01/14
[北京 14日 ロイター] - 中国税関総署が14日に公表した12月の貿易統計によると、輸出は前年比7.6%増と、5カ月ぶりに増え、伸び率が予想を上回った。米中通商交渉が部分合意に達したことを受け、海外需要に緩やかな回復の兆候がみられる。
米中両政府は15日に「第1段階」通商合意に調印する見通し。
ロイターがまとめた12月の中国輸出のアナリスト予想中央値は、前年比3.2%増だった。11月は1.3%減だった。
12月の輸入は前年比16.3%増加。予想は9.6%増だった。コモディティ(商品)価格の上昇が増加の一因だった。
12月の貿易収支は467億9000万ドルの黒字。予想は480億ドルの黒字だった。11月は379億3000万ドルの黒字だった。
2019年通年の輸出は0.5%増、輸入は2.8%減だった。
税関当局のデータを基にしたロイターの算出によると、12月の対米貿易黒字は231億8000万ドルと、11月の246億ドルから黒字幅が縮小。
19年通年の対米輸出は12.5%減で、18年の11.3%増から減少に転じた。対米輸入は20.9%減。前年は0.7%増だった。対米貿易黒字は2958億ドルで、18年の3233億3000万ドルから減少した。
米中通商交渉で前月に「第1段階」の合意がまとまったことを受け、市場心理は改善した。ただ、アナリストらは貿易摩擦が終息したわけではなく、再び激化する可能性は残っていると指摘する。
MUFGバンクのアナリストは統計前に公表したリポートで「第1段階合意ではトランプ大統領の貿易戦争に終止符は打たれないというのが私たちの判断だ」と指摘した。
加えて世界の需要は今年、低水準にとどまる見通し。
INGのエコノミストは「第1段階」合意での実質的な関税引き下げはかなり小幅で、中国の貿易環境は依然比較的弱いと指摘した。
オックスフォード・エコノミクスは、米中貿易の停滞が数年続く可能性があるとみている。
<内需に薄日>
12月は原材料の輸入が増加し、2年近くにわたる政府の景気テコ入れ策で内需が底入れし始めた兆しをみせた。
未加工銅の輸入は前月から9.1%増加し2016年3月以来の高水準。鉄鉱石の輸入は27カ月ぶりの高水準となった。
また2019年の原油輸入は9.5%増加し、17年連続で過去最高を更新した。[nL4N29J1BZ]
*内容を追加しました。
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