[北京 14日 ロイター] - 中国税関総署のデータに基づくロイターの算出によると、12月の同国の大豆輸入は954万トンで、前年同月から67%増え、2018年5月以来の高水準を付けた。

輸入業者が以前買い付けた米国産・ブラジル産大豆が税関を通過した。

前月比は15%増だった。

上海JCインテリジェンスのアナリスト、モニカ・トゥ氏は「米国産など、遅れていた一部の積み荷が税関を通過したことで、大幅な増加となった」と指摘。「南米産の大豆も大量に到着した」と述べた。

2019年通年の大豆輸入は8851万トンと、前年の8803万トンをわずかながら上回った。

米中貿易摩擦の激化を受け、中国政府は18年に大豆を含む特定の米国産品に高関税を発動。米国産大豆の輸入は激減したが、その後、貿易戦争の停戦や、中国が最近発表した一部米国産品への輸入関税免除を受けて盛り返した。

ブラジル産の輸入も増えた。価格が安かったことや貿易戦争を巡る不透明感が背景という。

中国でのアフリカ豚コレラの感染拡大も家畜の飼料に加工される大豆の需要を押し下げていたが、中国政府は今月、豚の飼育数が増え始めたと表明。

中国政府は10日、豚肉生産の回復で大豆かすの需要拡大が続くとの見通しを示した。

米中両政府は15日に「第1段階」の通商合意の調印式を控えている。ムニューシン米財務長官は12日、中国との合意では依然として、年間400億─500億ドル相当の米農産品を中国側が購入することが求められていると説明した。

アナリストは、米国から輸入する農産品の大部分は大豆が占めると見込んでいる。

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