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米イラン衝突で見えた「世界の警察官」がいない世界の不安 - 上久保誠人のクリティカル・アナリティクス

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    メモ
    > ここで重要なのは、多くの国が(世界の警察官だった頃の)米国から多大なる利益を得たことである。以下に整理する。

     1.フランスとドイツは、お互いに相手を警戒して武装する必要がなくなった。

     2.スウェーデンやオランダなどの中規模の国家は、貿易に焦点をあてて自国の強みを活かすことに集中できるようになり、防衛には最小限の努力を割くだけでよくなった。

     3.世界中の貿易路の安全が保障されたことで、さまざまな土地を占領する必要がなくなった。最古の小麦生産地であるエジプトは、過去2000年で初めて、自由に息をつけるようになった。

     4.世界中に散らばるヨーロッパの植民地が解放された。アジアでは東南アジア諸国連合(ASEAN)が設立され、独自の自由貿易ネットワークを形成した。

     5.日本はもはや東アジア沿岸地域を搾取する必要がなくなった。アメリカの安全保障下で、韓国、台湾、シンガポールの3国が世界で最もダイナミックな経済国として台頭した。中国はその歴史上で初めて、外部の干渉のない安全な環境で国の基盤を固めることができた(ゼイハン,2016:135-7)。


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