【検証】ラーメンが、20年でいくら値上げしたか知っていますか?

2020/1/14
2020年の日本経済、そして世界経済はどうなるのか。東短リサーチのチーフエコノミスト・加藤出氏が、B級グルメ価格の日米比較でみる経済から、金融政策の展望までを解説する。

リフレ派の主張は「今」

年率2%の物価上昇率を目標に日銀が「異次元緩和策」を開始したのは2013年4月のことだった。
当時130兆円程度だったマネタリーベース(現金+日銀当座預金)を、2年で2倍の260兆円にすれば目標は達成できると日銀は宣言した。
同政策はこの春で8年目を迎える。マネタリーべースは500兆円を超えた。日銀の資産は経済規模(名目GDP)比で見て異様な膨張を続けている。
しかし最近のインフレ率(生鮮食品を除く消費者物価指数前年比)は消費税の影響を除くと、わずか0.2%でしかない。
「インフレはマネタリーな(金融的な)現象なのだから、日銀が金融緩和をすればインフレ目標は達成できる」と言っていたリフレ派たちの考え方は、完全に間違っていたことになる。

「B級グルメ」20年の価格変化

2%のインフレが実現されている経済とは、生活者にとって実際どのような世界なのだろうか。
消費者物価指数で見れば、アメリカの過去20年のインフレ率の平均は、おおよそ2%になっている。
そこで生活実感に影響を与えるひとつの例として、多くの消費者が気軽に行ける「B級グルメ」(含むご当地グルメ、スイーツ、飲料)の、1999年から2019年にかけての価格の推移を、日米で比較してみよう。
日本におけるインフレ目標達成の困難さを、改めて実感できるのではないかと思われる(以下の価格は筆者が各種資料および店舗にて調査)。
日本で人気のB級グルメ「ラーメンと餃子」(写真:ahirao_photo / iStock)
まずは、日本側のこの20年間の消費税を抜いた価格の変化を見てみる。
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東京都 千駄ヶ谷「ホープ軒」ラーメン +18%