日産幹部、ルノーと分離の可能性に備えて緊急時対応計画－ＦＴ

（ブルームバーグ）： 日産自動車の幹部は元会長のカルロス・ゴーン被告による日本からの逃亡後、仏ルノーとの分離の可能性に備えて緊急時対応計画を強化している。英紙フィナンシャル・タイムズ（ＦＴ）が関係者を引用して報じた。

同紙によると、分離に向けた予備的協議には技術・生産部門の完全分離や日産取締役会の変更が含まれる。ルノーと日産はいずれもＦＴにコメントを控えた。

ルノーのジャンドミニク・スナール会長は今後数週間でアライアンスを巡る複数の共同プロジェクトを発表する予定だが、ゴーン被告の後任として会長に昨年就任後、パートナーシップが続くか疑念を抱いたとＦＴは報道。

日産経営陣に近い関係者１人によれば、内田誠最高経営責任者（ＣＥＯ）はスナール氏と新プロジェクトを巡り緊密に連携しているが、ゴーン会長時代でも一部のエンジニアは技術・生産分野の統合に向けた取り組みに満足していなかったと日産に近い複数の関係者が話したという。

ルノー、日産両社がこうした関係を完全解消する場合は新たなパートナーを探すことになりそうだとＦＴは報じた。

原題：Nissan Execs Step Up Planning for Potential Renault Split: FT（抜粋）

記事に関する記者への問い合わせ先：New York Tony Czuczka [e-mail];New York Nick Lichtenberg [e-mail]

記事についてのエディターへの問い合わせ先：James Ludden [e-mail]

©2020 Bloomberg L.P.

コメント

注目のコメント

• 中西 孝樹

  ナカニシ自動車産業リサーチ 代表

  ・2020年01月13日

  アライアンスを解消して独自で全て作り直すことは膨大なコストと時間の浪費であり現実的でない。アライアンスを持続発展しながらも、技術と生産機能をルノーから再分離させることは可能。そのためには、フランス国策が関与しすぎるルノーとの資本関係の見直しを実現させ、日産の取締役会の再構成を目指すというのは自然な話。日産が首尾一貫して主張してきたことである。
• 神領 貢

  ニューモデルマガジンＸ 代表取締役社長兼編集長

  ・2020年01月13日

  こうした情報がもたらされること自体、ルノー日産両社の人の心に微妙な変化が出てきていると言うことでしょうか。
• 清水 和夫

  Automobile Journalist http://www.startyourengines.net/

  ・2020年01月14日

  ゴーン氏はルノーともお金の件でもめているから、敵の敵は味方。ここで、もっとしっかりとルノーと日産の関係を修復するほうがいいだろう。ルノーも日産も、どれぞれ優れた技術を持っているのですからね。両メーカーとユーザーがWINになるような、戦略的な関係を模索するべき。日産復活の唯一の道かと思う。