NYT記者が選ぶ、今注目すべき「ベストテクノロジー大賞」

2020/1/14
2019年を総ざらい
2年前、筆者は年末恒例の「振り返り企画」の趣向を変えることにした。
テック企業が過去1年間でやらかした、きな臭い事件や不愉快な事件(まったくもって、ネタには事欠かない)を振り返る代わりに、「良いテクノロジー」を称賛することにしたのだ。
つまり、普段は記事の見出しを飾ったりすることはないけれど、確かで具体的なアプローチによって私たちの生活を良い方向に変えてくれる──そんな“地味”なテクノロジーを、正しく評価する場所を設けたかったのである。
率直に言って、昨年のテクノロジー業界から「良いニュース」を選び出すのは、東京を完全に破壊し尽くしはしなかったという功績でゴジラを称えるような作業だと言えなくもない。
それくらい、昨年のテック業界は「悪いニュース」のオンパレードだった。フェイスブックの欠陥、アマゾンの侵略、ソフトバンクの失態──しかし、こうしたニュースが大きく取り上げられているからこそ、その陰でひっそりと成功を収めているテクノロジーに光を当てることが重要だと筆者は考える。
結局のところ、テクノロジー業界も一枚岩ではない。多くの起業家やエンジニアは、社会を良くするために日々努力を重ねているのだ。
前置きはこのくらいにして、さっそく今年度の受賞者を紹介していこう。
フェイスブックのユーザー情報流出など、テック企業の不祥事や醜聞が相次いだ2019年だったが…(Eric Thayer/The New York Times)
1.「オープンAQ」
オープンAQ(OpenAQ)は、私たちが吸う「空気」の大切さを教えてくれた。