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米イラン問題についてNewsPicks編集部から若い記者たちがいっぱい来たので、ざっと話したところ、こういう記事になりました。投資していて元気いいところはいいですね。
池内先生の流石の分かりやすい解説ですね。

さてイラン側の事情はまさにこの通りとして、対するトランプ大統領の思惑について少し考えてみたいと思います。
まずトランプ外交について言えるのは、外交についてトランプ大統領は一見して脈絡のない機会主義者に見えて、実際に俯瞰してみるとその打ち手は首尾一貫した原理主義者だということです。

トランプ大統領の基本姿勢は、金のかかる海外派兵を可能な限り最小限にする一方、長期的なアメリカの経済覇権を維持するためのカードとしてのみ軍事力を行使するというスタンスです。

例えばトランプ大統領は今回のイランも含めて何度かの軍事作戦をおこなっていますが、いずれも相手に手痛い一撃を与えただけで、矛を納め、その後段階的に兵を引いています。
このような一見して真逆に見える行為はサージ戦略と言い、軍隊の撤退に当たって一時的に兵力を増強して敵に打撃を与え、撤退後に予想される力の空白を埋める為に行う撤退作戦の王道的戦略です。(ただし戦略的撤退は軍事作戦で一番難しく、旧日本軍のようにかえって泥沼に足を突っ込む羽目になることも多い)

有名なのは、イラク戦争末期にブッシュ政権が行なった交番作戦で、このときは空母2隻、陸軍5個師団、海兵隊2個大隊を始め約3万人が増派され、当時勢力を急拡大していたテロ組織、イラクの聖戦アルカイダ機構(ISの前身組織)に大打撃を与えて、イラクから無事アメリカ軍主力を撤兵させることに成功しました。

その線から行くとトランプ政権の対イランについても基本路線は中東から可能な限り兵力を引き、コストの最小化を図ることです。
どこまで計算してやったのかは不明ですが、今回の一撃とウクライナ航空機の撃墜事件でアメリカはイランの体制を大きく動揺させることに成功しました。

イラン国内だけでなくイラクやレバノンでも反イランデモが頻発していますが、これらは必ずしも自然発生的なものではなく、裏ではアメリカなどが援助していると考えるのが妥当です。
アメリカとしては、最小限の軍事力だけ残して、後は裏からイランを締め上げていくことで、最小コストでこの地域の経済的なヘゲモニーを維持することに専念する戦略と思われます。
この線から行くと中東は引き続き緊張と代理戦争的小競り合いが続くものの、本格的な衝突には至らないという奇妙な安定が続くことになるでしょう。
中東で一番栄えていて、親米だったイランが40年前のイスラム革命で大きく変わりました。
イランに行くと、昔作られたであろう立派な施設がたくさんあります。
しかし、最近は手入れができていないのか老朽化が進んでいるように見えます。
イラン人の友達に聞くとソレイマニ司令官は英雄ではなかったそうです。
確かにISに対しては大きな功績があるようですが、イラン国民をたくさん殺害しているので嫌われていました。
大規模なデモがあった時、鎮圧のため、たくさんの自国民であるイラン人を殺害したそうです。
今回、アメリカにソレイマニ司令官が殺害されたことを喜ぶことはないが、悲しむことでもないと言います。
黒い服を着て、写真を飾ったのは政府の指示で仕方なしにやっていた民衆も多いそうです。
世界に流れているニュースと実際は少し違うようです。
とても勉強になる記事でした。

俯瞰してみれば、イランは国内の反政府的な動きを抑えることに(一定レベル)成功し、トランプも中間選挙に向けてアピールできる成果を得た、とても戦略的な動きだったのかもしれません。

「独裁的なリーダーもバカではないから、彼らの下で戦争が起きる可能性は低い。むしろコントロールが効かなくなった民主政治のほうが危険」という言説を聞いたことがありますが、そうかもしれませんね。

-----(抜粋)
イランによる攻撃は本当に限定的なもので、アメリカからさらなる報復がなければ、この件については打ち止めにするというメッセージを出した。アメリカもサッとそれに応えました。そういう戦略的コミュニケーションが、イランとアメリカの間で成立したということです。
これは、東西冷戦時代に、米ソがお互いの意図や能力を測り合いながら行っていた戦略的なコミュニケーションと同じだと思います。スパイなどを使って本音を探ったり、小さな攻撃をしかけたり、あるいは代理勢力の間で内戦や地域紛争をさせてみたりして、相手方の能力や意図を測る、ということを米ソはやってきた。そういった冷戦時代の複雑なコミュニケーションと同じようなことが今、イランとアメリカの間で行われています。これが、今回の一連の動きの短期的な帰結です。
やはりトランプ大統領の「やる時はやるぞ」というメッセージは外交上強いですね。タブーなく、何をしてくるかわからない相手ほどやりにくいものはない
イランの宗教的な側面と合理的な戦略家の側面、両面を理解すると一連の動きが非常に分かりやすい。参考になります。
詳しい解説を読んで、ますますイランの事が分からなくなった。問題は、アメリカとイランとの対立ではなく、イラン政府と国民の対立という事になるのか。
保存版。

テヘラン駐在時、友人のイラン人はトランプ大統領就任を喜んでいました。曰く、「イラン革命から何十年も経ってこの国は何が変わったのか?どこか少しでも良くなったのか?何も変わっちゃいない。もう中からはこの国は変わらない。外からじゃないと変わらない。そういう意味でトランプには期待している。」と。
ヤクザの抗争というのは言い得て妙です。
背景から今後の展望まで、大変勉強になる記事でした。正しく知ることが大切ですね。