【池内恵】日本人が知らない「米イラン40年抗争」の本質

2020/1/14
軍事力では歴然の差があるにもかかわらず、イランはなぜ、アメリカと敵対関係を続けるのか──。
すんでのところで本格的な軍事衝突は避けられたものの、アメリカとイランの対立は今後も続くとみられている。
長引く経済制裁で経済が疲弊し、イラン国内では革命体制に対する不満が高まっている。
そんな状況にありながら、超大国アメリカに戦争をふっかけるイランの行動は、日本人には理解しがたい。
中東情勢に詳しい東京大学先端科学技術研究センターの池内恵教授は、今回の危機をどう見ているのか。ポイントを解説してもらった。
池内恵(いけうち・さとし)1973年東京生まれ。日本貿易振興機構研究員、国際日本文化研究センター准教授を経て、東京大学先端科学技術研究センター教授。著書に『現代アラブの社会思想』『イスラーム国の衝撃』『シーア派とスンニ派』など多数
禁断の米大使館襲撃
──イランとアメリカの対立が深刻化した一連の動きをどう見ますか。